もー

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8/4/2025, 11:27:23 AM

昭和の夏、幼い私は扇風機の前。
暑くて気だるい昼ひなか、
畳にごろりと寝転がり
うたた寝と蝉の声。

時は流れ、今は令和。
すっかり大人になった私は
クーラーと扇風機。
いい具合にセットして
カーペットにごろりと寝転がる。

ただいま夏真っ盛り。

昭和の祖父母は
令和の景色にはいないけれど
お前は変わらないと、向こうから
笑われているという自信がある。



#ただいま、夏

8/3/2025, 10:23:29 PM

無口な男に出会ったことがない
私の周りはいつも、喋り倒す男ばかりだ

理想は寡黙な男だか
現実には漫才師ばかりがやってくる
面白ければまだいいが
笑いのツボがズレまくった出会いは苦痛だ

いつものようにメロンソーダを飲みながら
今日もズレた漫才師を眺めているうちに
跡形もなく溶けた氷が綺麗に2層を作り出す

いつの間にか無口な私は
グラスの水滴を繋げて遊ぶのだ


#ぬるい炭酸と無口な君

8/2/2025, 10:42:11 PM

その名は親から子へ、初めての贈り物。
ひたすら幸せを願い、祈りを込める

生きるとは波乱万丈

祈りは時に翻弄され
嵐は想いを弄ぶ
荒れる波は牙を剥き
祈りの手紙をさらうだろう

時は流れ
満ちた潮もやがて引く

今日も波間に浮かぶその手紙
誰かの想いが揺れている




#波にさらわれた手紙

8/2/2025, 8:03:25 AM

水着がない
去年買ったはずの水着がない

どこへしまい込んだのか
さっぱり思い出せない

夏は君がいないと始まらないのだよ
もう8月、一刻も早く君に会いたい


#8月、君に会いたい

7/31/2025, 9:51:16 PM

いつの間にか子どもたちは大きくなった
服の裾をぎゅっと握っていた手は
もうはるか、私よりも大きい

転んでは泣いていた足元も
おぼつかない言葉で紡ぐ会話も
もうそこには何もない

視線の端に必ずいたはずが
今は探さなければ見つけられない

成長した姿が眩しくて
時折、懐かしさと喜びと少しの淋しさと

変わらぬは親の思い
どうかいつまでも幸せで。


#眩しくて

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