溢れる想い

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2/8/2024, 3:02:43 PM

スマイル

ガサガサガサッ!
この日、卒業式を目前に控えた放課後のキメツ学園高等部では、数名の女子高生たちが職員室前の植木の陰からマイカメラを構えているという異様な光景が広がっていた。
彼女らは同校写真部に所属している最上級生であと1ヶ月後には卒業する。
そんな彼女らは卒業制作のための写真撮影(盗撮まがい)をしているのだ。
狙っているのは強面教師たちの笑顔である。
主なターゲットは化学、数学、体育の担当教師だ。
普段めったなことでは笑顔を見せない教師の素顔を暴くべく、卒制のお題であるスマイルを方便にひたすら職員室を観察している彼女らだったが、困ったことにこの3人は本当に全く笑顔が見られないのである。

2/5/2024, 1:50:16 PM

その人を見た瞬間、身体の内側から沸き起こった感情の渦に巻き込まれ、過去生が鮮明な記憶となって脳内に降り注いだ。
心はすでに囚われていた。
かつて鬼殺隊として毎夜鬼を狩っていたころから。
なぜ忘れてしまえたのだろう、なぜ思い出さなかったんだろう。あんなにも大切で、大好きで、心底愛していたのに。
「ごめん、オレ…アンタのこと…」
「いいんだ。何も言わなくていい」
そもそも覚えていなかったせいで最愛のアンタを探せなかったことを謝ろうと思ったが、熱い抱擁に遮られた。
相変わらずアンタの腕の中はあったかくて、優しくて、安心する。溢れる想いはもう止められない。
めちゃくちゃに泣いたオレは最強の男の胸元を盛大に濡らし、オレよりもっと泣きもろいこの人はオレの頭上で滝行してるみたいだった。