(「こっちに恋」「愛にきて」)
君に花束を。
…ありがとうございます。でも、私は貴方と花を育てたいです。
ふむ、花を育てる…。あまり得意ではないけど、君となら頑張るよ。
んふふ、ゆっくりでいいのです。…大切に、育てましょうね。
勿論!君となら、永遠にでも。
(巡り逢い)
はらりとなびく綺麗な長髪。
つるりと色めく艶やかな唇の紅。
きらりと煌めく涼やかな目尻の目弾き。
ぎらりとこちらを睨む好戦的な真っ黒な瞳。
君とまた巡り逢えた事に心の底から安堵した。
なにせ1000年前から君を探して待っていました、
…なんて、信じられないだろうけど。
本当ですよ。
(どこへいこう)
心地良いさらりとした風に目を細める。
ふわりとした暖かい日光に当たりながら、
こんなに天気がいい日はどこへいこう。
ちかり、と携帯の画面が光る。
愛しい君からのメッセージ。
君からデートのお誘いなんて!
今日はとてもいい日だ。
さっそく格好良く支度をして
君のもとへ行かなくては。
すぐにメッセージを返して
ばたばたと支度に走る。
(big love!)
まるで夏の天気雨みたいに
ころころ変わる君の表情。
微笑んだり、怒ったり、時には泣いて、でも笑って。
それを可愛いな、なんて遠目から見ていた私と、
目があって、微笑んで、
私の名前を呼んでくれた時といったら!
心臓が痛いほどぎゅうっとして
苦しいほど君のことが好きなんだと
一等自覚したんだ。
(情けない顔をしてるなぁ…)
(…どうされました?)
(ささやき)
何のために?
…万物衆生のために。
救う価値はあるか?
…手の届くものは掬い上げているだけだ。
奴等はお前に痛みしか与えぬのに?
…そんなの気にはしない。こんな自分にだって暖かい人は いる。
甚だ馬鹿げた事を!
…馬鹿げているかは自分が決める。
お前が憧れているあいつはお前など眼中にないだろうよ。
…そんなのわかっている!
そんな偽善をしたところであいつになれはしないのに!
っ黙れ!!!そんなことのために生きているんじゃない!
本当に?
…違う、ほんとうに、私は、力になりたいだけで、
ああ、ほら、あいつらが囁いているぞ。
…、……、………………。