(月夜)
月のような貴方の眼が好きだ。
射抜くような鋭い眼。
月光を弾く真白い肌や、
少し赤みがかった鴉のような黒髪。
憂いているような柳眉も、通った鼻筋も、
少しムッとして見える小ぶりな口も可愛い。
陳腐なポエムみたいで、そんな事言ったら
ゴミを見るような目で見るだろうけど。
ちょっとくらい照れてくれないかなぁって……、
……あれ、もしかして照れてる?
いてッ!そんな照れ隠しに叩かなくたっていいだろ…
……フ、でも、かわいいね。
…………こっちまで照れてきた。
なぁ、ポエムついでに答えてくれる?
……月が綺麗ですね?
(遠くの街へ)
何もかも捨てて貴方と二人。
何処迄も遠くへ逃げたい。
責任も地位も渇望も全部全部捨てて自分と一緒に。
お願い、貴方がそう望んでくれるだけで、
私は貴方を攫って行けるのに。
(小さな命)
バラして、直して、分解して、治して。
何回も何回も何回も繰り返して実験。
その内痛みにも慣れてきてどうでも良くなって。
他人が痛がろうともどうでも良い。
それよりもこの実験の結果が出る事が重要。
誰よりも大切な人の為なら、
自分の命だって他人の命だって使う。
理想の世界へ近づく為になんだってやってやろう。
(今日にさよなら)
貴方に報いるただそれだけの為に。
こんな俺を拾ってくれた貴方への恩返しを。
弱くて情けない自分なんていらない。
誰よりも強く誰よりも恐れられるように。
……なのに、なんでこんな事になってしまったの?
貴方が喜ぶ顔が、貴方に喜んで欲しくて、
貴方にまた、良くやったと言って欲しくて、
……常人とは違うイカれていると自覚はしていたけど。貴方を傷つけたい訳じゃなかったのに。
(君がみた夢)
君が理想とした世界は肯定できないけれど、
君とは違うやり方で実現しようと思うよ。
君がまた笑って過ごせる世界にするから、
その時はまた僕と笑ってくれる?