NoName

Open App
4/21/2025, 1:33:37 PM

(ささやき)
何のために?
…万物衆生のために。
救う価値はあるか?
…手の届くものは掬い上げているだけだ。
奴等はお前に痛みしか与えぬのに?
…そんなの気にはしない。こんな自分にだって暖かい人は     いる。
甚だ馬鹿げた事を!
…馬鹿げているかは自分が決める。
お前が憧れているあいつはお前など眼中にないだろうよ。
…そんなのわかっている!
そんな偽善をしたところであいつになれはしないのに!
っ黙れ!!!そんなことのために生きているんじゃない!
本当に?
…違う、ほんとうに、私は、力になりたいだけで、
ああ、ほら、あいつらが囁いているぞ。
…、……、………………。

4/16/2025, 2:40:20 PM

(遠くの声)
茜色の空を尻目に子らと帰路を辿る。
ふと、呼ばれた気がして振り返れば
空には一番星。
もう手の届かぬ星を、じっと、見つめて、
────……えぇ、いま、いきますよ。…帰りましょう。
子らに呼ばれて、帰路に戻る。
もう、声は聞こえなくて、振り返らなかった。

4/15/2025, 12:46:01 PM

(春恋)
花咲き乱れ、桜舞う中、
遠く南から登ってきた君の黒曜石のような瞳。
その瞳から溢れんばかりの輝き!
不敵な微笑み、凛とした立ち姿。
春嵐のような恋だと、その時自覚したのです。
…一目惚れでした。

4/15/2025, 12:01:47 AM

(未来図)

君がまた会いに来てくれると信じているから
四季の花を育てながら待とうと思う。

4/13/2025, 5:45:11 PM

(ひとひら)
ふと目が覚めて
目が冴えるような夜明けの中、
庭を眺める君の長く美しい髪に
ひとひらずつ舞い落ちる桜、
ぼうと庭を眺める気怠げな
君の横顔に見惚れていた。

Next