お前のために眠りました

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2/22/2024, 10:46:21 AM

太陽のようなんだ! わたしのかみさまは、まさしく
ぽかぽかと暖かく、優しく感じられる瞬間がある
その気持ちのままに近づくと、あっという間もなく焼き付いてしまって、「あたたかいなぁ」という気持ちのままに死ねるのだ
たすけてと言っても焼けこげた手を離して貰えずに死ねるのだ
羨ましいだろう でもわたしの順番はまだ遠い かみさまが言うにはあと2587426974236887412669877人待ちらしい
難儀なものだ

お題「太陽のような」 おまねむ

2/20/2024, 11:52:13 AM

わたしのかみさまは誰にも同情などしない。かと言って誰かを尊重したりもしない。もちろんおれにもだ。
わたしのかみさまは誰にでも尊大で親切で優しくて、残酷なくらいすべてを平等に扱うのだ。
そのくせおれに「きみは特別だから」などとのたまうのだ。知っているぞ、おまえは誰にでもそう言うんだ。アイツにもソイツにもおれの嫌いなアイツにだって、あんたは誰にでも秘密の話を持ってきたようなイタズラっぽい笑顔で「きみだけは特別だから」とこしょこしょと少女のような声で耳打ちするのだ。
ああ、ほんとうにおれだけがあなたの特別だったら良かったのに。そうだったら良かったのに。そうだったら良かったのに。

お題「同情」 おまねむ

2/19/2024, 10:29:53 AM

枯葉をシルクのような笑顔で踏みにじったわたしのかみさまは、そんな邪悪を晒してなおいっとう美しい
わたしもきっと、近い未来にあの枯葉のひとつになるのだろう
かみさまのもたらしてくれる物ならば、それが破滅であれわたしは嬉しくってたまらなくなる わたしは踏みにじられた枯葉となり泥だまりに打ち捨てられて二度と顧みられることはないのだろう それが嬉しくってたまらない
来る破滅の予感に、わたしもかみさまと一緒になって笑った

お題「枯葉」 おまねむ

2/18/2024, 2:39:18 PM

「よくがんばったね」とあの人が言った。そうです、わたし、今までずっと頑張ってきました。
「知ってるよ。他の誰もが知らないこと、きみが今までどんなに苦労したか、どれだけ他人に傷つけられたか、わたしだけは知っているよ」そうです。わたし、苦労して今までやってきたんです。あなただけは、わたしのうちがわがもういい加減ぼろぼろで涙が溢れて止まらないこと、気づいてくださるのですね。
「そうです。どうしてわかるのですか」とわたしが言うと、あの人は「当たり前でしょう。きみのことなら、なんでもわかるんだよ」と言って、たおやかに笑いました。この人のほほえみは、絹がほどける様によく似ていると思います。この天使見たいなほほえみを見ると、わたしはもう、なにもかも一切合切をこの人に手渡して委ねたくなるのです。
「ええ、ええ。そうですよね、あなたにはなにもかもお見通しなんです。お願いします、ねえ、わたしのすべて、受け取ってください。それが、それこそが今やわたしの唯一の願いなんです」わたしが言うと、あの人はまたにこやかにほほえみました。シルクのようなえがお。
「ありがとう、では、もう今日にさようならをするんだよ」
はい。さようなら、さようなら。あなたが全て貰ってくださるのなら、もう、今日も明日もわたしは何にも要りません。さようなら、さようなら……。
ええ、さようなら。

お題「今日にさようなら」 おまねむ