「鐘の音」#16
ごおん、と鐘の音が鳴る。
明日から愛しい君との生活が始まる。
君の苗字が僕の苗字に変わっているのを見るとどこか嬉しくなる。
そんな僕らの幸せを祝うように、遠く、また遠くまで聞こえる音量で鐘を3回響きわたらせた。
この鐘の音は幸せの音だ。
「つまらないことでも」#15
大親友が事故にあった。
命は無事だけど、体は動かず、意識がないらしい。俗に言う寝たきり状態というもの。よくネットでこういった感動ドキュメンタリーとかはよく流れてくる。
でも、身近な人がこんなになるなんて。涙と共に大親友と過ごした思い出が脳裏によぎる。
思い出は、文化祭だとかディズニーだとかそういうのよりも、くだらない話をしてたあの時だとか、一緒にふざけながら帰ったあの時とかそういうつまんない事ばっかりで。
つまらないことでも、思い出のひとつになるんだ。もっと下らない話をしておけばよかった。ふざければよかった。ベットに眠る大親友を隣に涙をこぼす。
「病室」#14
「元気になったらアイス屋に行こう」
なんて約束をしてから3年。白血病で病室にいる親友の君と画面越しに交わした約束。
君は私との約束を果たせずに永遠の眠りについた。
治らないなんて思いもしなかった
ちなみにこれ実話です
「明日、もし晴れたら」#13
「明日、もし晴れたら遊びに行こう!」
約束を君と交わした。
そんな約束を交わした翌日、君は津波に飲み込まれて会えなくなった。
「だから、一人でいたい。」#12
大人数でいると色んな嫌なことが起きる。
迷惑をかけてしまうし、かけられてしまう。
傷つけてしまうし、傷つけられてしまう。
そして、失うかもしれない恐怖。
迷惑をかけてしまった時の皆の優しく暖かいようで、冷たい目と罪悪感。
傷ついた時のなんでもないふりと心の中に閉じ込める悲しみ。
失った時の喪失感。
どれも私にとっては耐えられない。
だから、一人でいたい。