manbou

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10/12/2025, 1:52:39 PM

「どこまでも行こうか…。」

そんなうさんくさいセリフをよく言えるなと思ったが、胸奥でわくわくしている自分を否定することはできなかった。

「どこまでも…か。」

そう呟いていみる。自分で言ってから、これもどこか酔っているセリフだなと思った。

「そうどこまでも、どこまでも行けるよ!行くって決めたら…。」


「そりゃ…そうだけどさ。」

「行きたくないの?」

「そんな、好きじゃないの?みたいな言い方で聞くのはずるいよ。ただ、今のままでも幸せっていうか、僕にそのガッツみたいなものがないんだよ。ようは人より怠惰なんだ。自分を信じて、頑張って、そして面倒になってやめて、最後には怠惰な自分を責める。その繰り返しさ。
僕はまずその繰り返しから抜けたいのさ」

首をすくめると彼はふふっと笑った。

「何がおかしいの?」

「わかってるだろ?」

「……。」

嫌でも、君は進んでいるのさ。どんなに反抗しても何万十回繰り返しても、最後には着くのさ。どこまでも進むんだ。

彼はこう続けた。

「認めざるおえないね。まるで大好きなのに、嫌いって言っちゃう。え〜とあっツンデレなんだ!」

「ツンデレって…」

「僕のこと好きだろ?」

「は?」

「ほら、ツンデレだ。すぐに好きって言えない」

「いや…」

いや、の後何を言えばいいのかわからなかった。この人の言っていることをわからないようでわかっている。顔が赤くなる。

「僕が好きかい?」

「……。」

照れてしまう。彼がずいっと寄ってくる。

「好きだろ?」

「好き…だよ」

「じゃあ行こうよ。やろう!」

「やろうって言われても、多分うまくいかない。上手くいってるのかもわからない」

「大丈夫だよ。ほら、」

胸の奥をポンっと押された。

「わくわくしてる」

「ああ。うん」

「これがあればいいだけ。まずはそれだけあればいい」

「行こうよ!」

怖気付く。彼が一瞬寂しそうな顔をしたので胸に飛びついた。

「おっと…。」

抱きとめられる。微妙な空気が流れたあと、彼は歯に噛んでこう言った。

「きっと僕たち、どこまでも言っちゃうな」

とても嬉しいような、恥ずかしいような、彼に全てを見せて何かも暴いて欲しい。これからきっとそうなる。
それがとても楽しみで堪らなくなった。

「ドキドキしてるね」

「ワクワクしてるの」

「そりゃあ、とても良いことだ」

恐怖もなにもかも、彼と一緒に戯れようと思った。


『どこまでも』