uni。

Open App
2/8/2023, 5:40:30 PM

毎朝のルーティン。

顔を洗って、服を着替えて、メイクをして。髪も整えなきゃ。
朝ごはんは時間によるけど、出来ればあったかいものを食べたい。
片付けは夕飯と一緒にするように、未来の自分に任せておこう。

靴を履いてから、最後に玄関でパカリと蓋を開く。
耳にかけて、鼻を合わせて、口を開けるゆとりがあるかを確かめて。

鏡の前で最終チェック。目尻を下げた様に見せるのは案外難しい。


「行ってきます」



『スマイル』

2/8/2023, 12:19:55 AM





ここには、なにもない。



どこにも、だれにも、ないのだから。



指を躍らせ、滑らせ、腕すらも動かせば、ただそれだけでいい。





『どこにも書けないこと』

2/6/2023, 4:22:43 PM


カチ、コチ、カチ、コチ、カチ、コチ、
カチン、カチン、
すーーっ
ピッ、ピッ、

針は刻み、進む。
前にただ進みゆく。

1日1歩、3日で3歩。後ろには下がらず、ただ道が出来るだけ。

私の想いも、時と共に前に進めるだけだ。
どれも、これも、すべて。



ところで、

1秒に1回。

成人の心拍数はそんなもんらしい。

うるさい時計は殴れば転がって、電池が飛び出したり、あらぬ方向にへしゃげたり。動きは止まって、機能が止まる。

鳴り響く心臓は殴っても、ただ同じ拍動を返してくれるだけ。

そういえば最近は、殴っても止まらない時計があるね。ただ動き続けるあれは、なんのために時を刻むのか、考えたことがあるのだろうか。


あーあ。腕が痛い。





『時計の針』

2/5/2023, 12:02:48 PM

どうしてお腹は空くんだろう。
どうして眠くなるのだろう。

どうして、目は覚めるんだろうか。
息をしないこと、鼓動を止めること、血を流し続けること。

なんで出来ないの?

どうして勝手に動くんだろうか。
どうして勝手に治るんだろうか。

こんなにも、こんなにもやめてしまいたいと願っているのに。
「それは身体が生きたがっている証だ」


そんなこと言われたって、心はこんなに、やめたがっている。



『溢れる気持ち』

2/4/2023, 10:12:56 AM

僕には似合わない真っ赤なルージュ。

お母様から戴いたものは、すっかりなくなってしまったから。
今日は新品を開けよう。


香水もふた振り、教わった通り。


丁寧に、綺麗な跡がつくようにそっと顔を寄せる。

白い肌に、綺麗な薔薇が咲く。



「お届けものです。」

そっとドアの隙間から投げ込んだ。


『Kiss』

Next