窓越しに見えたのは、僕の家族の泣き顔でした。
――窓越しに見えるのは――
聴こえてくる笛太鼓
祭の季節だね 魑魅魍魎の百鬼夜行さ
君の知ってる顔は居るかい?
いつも死人の顔した奴らが生き還る
この瞬間が愛しいね
進んでいく笛太鼓
賑わい満ちた百鬼夜行
目指す先には ほら
赤く煌めく和火が咲き誇る海原
呼び声高らかに 一瞬でお前を連れてくぞ
どうせ往く先は同じさ
それならば思い切り狂い咲いて夏に散れ。
――夏――
ここではないどこかで逢いましょう。
私はお洒落を不慣れながらもしていくから、
あなたも少しはお洒落をして逢いに来て。
いまではないいつかに逢いましょう。
私は赤いガーベラの花束を持っていくから、
あなたもお好みの花束を持ってきて。
白装束なんて要らないわ。
お決まりの菊の花も要らないの。
涙も要らないわ。
私のために泣いてくれるのは、少し嬉しいけれど。
それでも最後は笑顔を頂戴。
ここではないどこかで逢いましょう。
またいつか、遠い未来で逢いましょう。
――ここではないどこかで――
「小さい頃は神さまがいて」
そんな歌のワンフレーズが浮かんだ。
その二人の神さまは、今リビングのソファにいる。
お陰さまで私の夢は、たくさんたくさん叶えられた。
時に神さまに歯向かって、時に感謝していくうちに。
いつの間にか私も魔法を使えるようになって、夢は自分で掴むものになった。
なんでも頑張った。毎日毎日、魔法を使いまくった。
そしたらプツリと糸が切れたように、突然何も、魔法すら使えなくなった。
世界が私を嫌っているように感じた。
――もう終わりだ、そう思った20の夜。
そんな時に私を救ってくれたのは、神さまからの手紙。
私は今、脚を引きずりながら神さまの元にいる。
この二人の神さまが本当の神さまの元に行ってしまう前に私は魔法を使えるようになるだろうか。
もしその時が来たら、大きな大きな親孝行がしたい。
――子供の頃は――
日常。それは過ぎていく未来の後悔。
過去の「日常」を後悔してる今があるから、そう思う。
今あなたが「一生懸命、精一杯生きている」と自信を持って言えるのであれば、きっとこの日常という時間を丁寧に使えている証拠だ。
私かい?私は日常を怠惰に過ごしているよ。
きっと未来の自分は今の「日常」を後悔するのだろうね。
そうだ。ちょっとでもその後悔を減らすために、今から少し作業でもしてみようか。
あなたも一緒にどうだい?
共に「日常」を「非日常」に変えてみないか。
――日常――