もう二度と戻らない日常がある事を
みんなは知っている。
ありふれた日常に溶け込んだ私の感情
変わり映えのない風景
そこにあなたは立っていた。
いつも変わらずそこに居た。
もう二度と戻らない今日。
もう二度と呼ぶ事のない名前。
もう二度とあなたとの明日はない。
もう一度、あなたを見て
もう一度、名前を呼ぶ
もう一度、未来を夢見る
それが叶わない事を私はわかっている。
曇り空はまるで私の心のよう。
曇りは大きくなって次第に
あなたとの距離も分からなくなる。
雨を降らす前の暑さのように、
私の瞳は涙を堪えて熱くなる。
あなたとの距離が遠くなり、
私の心に雪が降る。
重い足取り、離れる事はあるけれど
一向に距離は縮まらない。
いつか私の心に陽が差して
あなたとの距離が分かれば
それでいい。
記憶の一部になって、隣に君はもう居ない。
君と見た季節がまたやってくる。
忘れたはずの想い出がまた、
私の心を虚しくさせる。
私は君の面影を想い出し、
今日もひとりで寂しいと思ってしまう。
逢いたい。
君と見た景色に立ち止まり
私はまた心を奪われていく。
君の面影を空に映し出す。
君と見た景色を横目に私は今日も歩いている。
子供の頃はどんな夢でも
叶えられると思っていた。
夢を見る事が当たり前で、
色んな夢を描いた。
大人になるにつれ
自分が出来る範囲を知った。
叶わぬ夢を見る事が減って
自分が出来る範囲の夢を見た。
いざ大人になれば
叶わない夢のほうが多い。
機械の様に繰り返す毎日に
夢を見ることすら忘れていった。
大人になり限りあることを知った。
子供の夢は無限
大人の夢は有限
花の香りと共に散りゆく花弁は
此処に居た事を忘れないでと云う
咲き乱れれば『美しい』と云う
舞い散る花に『儚い』と云う
道に散らばり『綺麗』と云う
そうしてまた逢う日まで忘れてしまう
私は此処には居ない
君の記憶の中に居る
忘れないでいて欲しい