物語は必ずしもハッピーエンドで終わっていた
だから私は子供の時は必ずしもハッピーエンドで過ごせる
と思っていたでも人生は辛いことがほとんで嬉しいことなんて辛いことに比べたら嬉しいことの方が多いのかもしれない。
ハッピーエンドなんてひと握りなんだろうなと成長するにつれて大人に近づくに連れて思い知らされる。
お題[ハッピーエンド]
No.13
そんなに見つめられたら私の心臓がもたない
付き合い始めて3回目のデート
まだ緊張はあるけどその一瞬が楽しかった。
[凛ネイル変えたの?可愛いもうちょっと見せて]
デートの前日に季節に合わせて変えた。
一瞬で気づいてくれて嬉しかった
けどあまりにも早くてびっくりしてしまった。
[ありがとう、はい]
そう言って左手を彼の方に差し出した。
[ミモザか?優しい感じ凛にピッタリ暖かい雰囲気だし]
[詳しいね花はあんまり興味無いって言ってたのに]
前に花はあんまり興味無いんだよねって言っていた。
[それは凛に会う前だよ今は興味ある]
[知ってる?ミモザの花言葉]
たしか友情とかだったような気がする。
花でそこまで盛り上がるなんて思いもしなかった。
ずっと彼は私の手と顔の方を見つめていた。
こんなにじっくり優しい顔で見られたら、口が緩んでしまうのに
[なあちょっと後ろ向いて]
私は言われたままにした。
彼の大きくて力強い手が私の首に触れてミモザのハーバリウムのネックレスがそこにあった。
[もうすぐ誕生日だからちょっと早いけどおめでとう]
不意打ちだった
もう私の顔はドキドキとキュンで真っ赤になってるだろう
[ありがとう可愛いセンスあるじゃん]
お題[見つめられたら]
No.12
あの人を人目見た時から
僕の心は奪われていた。
あの人を初めてみたのは
僕がこの街に引っ越し、喫茶店の仕事を始めた1日目だった。
[いらっしゃいませ]
女性の声が店内に響き渡る。
声の主は店長をしている西喜さんだ
二十代後半の若い女の人で明るく親しみやすい性格だ。
[優菜お花持ってきたよ]
[ありがとう今週も綺麗だね]
2人で仲良しそうに話していた。
まだ開店時間ではなかった。
[あの店長こちらの人は?]
話してるなかで声をかけるのは正直気が引けるが
この疑問は解決しておきたかった。
[普段はフワラーコーディネーターって行ってウエディングのブーケとかやってるんだけど昔からの仲でここを建てる時もいろいろ一緒に考えてくれてねお世話になって週に1回お花をこういう感じにして持ってきてくれるの]
すごい人だな自分の仕事に加えてここの花まで
[新人さん?この前話してた]
[うん、そうこの子が新人の]
[岩戸賢汰と言いますよろしくお願いします。]
店長が言い出しそうだったので慌てて身を乗り出した。
[あ、大人しそうだと思ったけど元気があるね
日南夏乃葉って言いますこちらこそよろしくね]
[あのもしかしてあのお花を夏乃葉さんがしたんですか?]
そう言って指を刺したのはレジの横にあるお花がドーム状になっていたものだった。
[そうだよ、レジ横に置かせてもらってるの]
それから週1でお花を持ってきてくれる夏乃葉は大人しくて優しくて可愛くて一瞬でトリコにされ気づいたら僕は恋というものに落ちていた。
やがて僕の心は僕だけじゃなくて夏乃葉さんに割り込まれることが増えていきそれが恋というものなのかと思い知らされた。
夏乃葉さんに向けるものも俺の今の心なのだと知った。
お題「myheart」
No.11
[ママ買って買って]
5歳ぐらいの息子が好きなお菓子を見つけて私の裾を掴む
[今日は買わないよまだ家にあるでしょ?お菓子]
[買ってお願い]
1回目だし、優しく優しく
[ダメだよ家にあるからそれ食べよう?]
[嫌だ買ってお願い帰らない]
まだ2回落ち着け落ち着け
[ねえお菓子我慢したら公園で遊ぼ]
上手くいきそう
[いや、いや!これがいいの!公園はやだ!]
そろそろ必殺技出そうだなそれ出される前に早く諦めて欲しい
[帰ったら好きなアニメ2話見ていいよ]
[アニメ、お菓子、両方なら欲しい]
まずかったかなこの提案は悪化させそう
[どっちか1個片方は我慢しよ、ね?]
[うーん家にあるならいいやアニメガいい!]
良かった無事に解決できた!
[よく選べたね偉い偉い!]
[ママパパにも話して!褒めてもらうんだから!]
可愛いもちろんパパにも教えるよ!
[もちろんパパにも教えてあげよ!]
お題「ないものねだり」
No.10
今まで好きでは無かったものをずっとやっていた。
でもある日好きな物に気づいたら変わっていた。
ある日そのことに気づいた。
好きでは無かったものから好きに変わっていた。
いつまでたっても努力の種は実らなくて
そのまま時だけが淡々とすぎていた。
ある日先生から言われた
[前に言ったことも治っててもう、文句のつけようがない]
と困ったかのようなでもどこか嬉しそうでもあった。
その時私は頑張って厳しい評価を受けてもそこで負けないで堪えて良かったなっと思った。
それで次の時が楽しみになって気づいたら
週で嫌なものから週で1番楽しいものへと変わっていた。
お題「好きじゃないもの」
No.9