桜月夜

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10/15/2024, 11:31:39 AM

   : 鋭い眼差し


予期せぬことに時間を取られ
漸く現場へと辿り着く

そこへ思い詰めた女が目に入り
私は足早に歩み寄る

私の存在に気付いたのか
あからさまに緊張が走った

鋭い眼差しが私を貫く

こんなことでひるむ私ではない

殆ど同時に動いた

無駄のない軽やかな仕草で
最後のたまごのパックをゲットする

悔しそうに歪む唇を横目に
私はレジの列へと並んだ


                 桜月夜

10/14/2024, 4:42:41 PM

   : 高く高く


ちぎれ雲が浮かぶ穏やかな空を
君を乗せた飛行機が得意気に
高く高く飛び去っていく

見送りには行かなかった
涙を見せたくなかったから…

夢を語る君の瞳が眩しくて
心から応援したいと思った

だけど…、だけど本当は…

いや、やっぱり君を応援したい
だって僕は君の一番のファンだから


                 桜月夜

10/14/2024, 3:02:31 AM

   :子供のように


君を想うあまり
自分の心に蓋をしてしまった

本当に大切にすべきは
君の心だったのに…

子供のように
僕を見つめる君の瞳に
背を向けなければ
君を永遠に失うことは
なかったのに…

大丈夫
すぐに傍に行くよ

これからはずっと
君の傍に…


                 桜月夜

10/12/2024, 4:22:23 AM

   :カーテン


心地良い風が鼻先を擽る

いつの間にかうとうとしたようだ

微睡む目を風のほうへ向ける

カーテンが木漏れ日と

緩やかにダンスを躍っていた

柔らかな光を纏い込むような

どこまでも優しいダンス

幸せの笑みがこぼれる

体の力が抜けていく

そしてまた、瞼を閉じた…


                 桜月夜

10/10/2024, 3:43:42 AM

   :ココロオドル

ついにやってきた
この時をどれほど待ちわびたことか

心躍る気持ちをひた隠し歩みを進める

そう、松風庵のいちご大福!

指紋がおののくほど柔らかい求肥の中に
丁寧な仕事を施された白餡
これらに溺愛された香り豊かな赤いいちごが
ほんのり透けて見える可愛いフォルム

我慢できずに口に含むと
いちごの甘い泉に溺れそうになり
鼻腔を吹き抜ける甘やかなそよ風に
私は目を閉じ
至福の声を漏らすことしかできない

なんて幸せな時間なのだろう…

手が…抑えられない…
もう一個た~べよっと!


                 桜月夜

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