つい最近まで
蚊帳の外で
のけもので
まだひとりで
呪いを世界自体に
きえろ
ゆるすな
うせろ
そして居場所がまた
空虚になる
「はあ」
とため息が またひとつ
「ああ」
とため息を またひとつ
少なからぬ痛みをともなってさ
かろうじて体勢を立てなおすよ
赤信号から青信号へ
生を渡りきるまでは
「ごめんね」「がんばれ」
からだに力を込めて
「ありがとう」「がんばれ」
ひとりじゃないよ
点と点と続いて
今何度目かのステージを
力増し増しで飛び越える
その日が人生のすべてで
先にも後にも触れないで
青春謳歌 恋愛謳歌
白黒で正論をつきつけて
汚いものには触れないで
人生謳歌 友人謳歌
とても眩しかった過去
錆び付いているね現在
帰れないから
物思いに浸り消化するだけ
空を見上げるあなたの横で
宵の明星を見ただけで
わたしは満足してしまった
雲の影に隠れてしまった
一瞬の幻を惜しむように
じっと動かない あなた
同じ空を見ているはずなのに
わたしには見えていないものが
見えているのでしょう?
それはどんな形ですか?
それはどんな色ですか?
それはあなたにどんな物語を
教えてくれるのですか?
わたしが欲しいと思うものは
あなたの世界では
描けないものばかり
あなたが心揺さぶられるものは
わたしの現実では
言葉にならないものばかり
「同じになれない」と理解はしても
それでも わたしはあなたを
求めてやまないのです
勧善懲悪 童話の世界
灰かぶり娘の 姉ふたり
指とかかとを 切り落とし
わたしを妃と くつを履く
結局かなわぬ その夢を
灰かぶり娘は いとも簡単に叶えたの
悪役救済措置を 願うならば
ご慈悲をどうぞ ふたりの姉に
たとえば こんなのどうかしら?
ふたりのまえに ふたごの兄弟
昔から好きでしたと 大胆告白
ここらで一曲 おどりませんか?
奏でおどるわ くるくると
だけど大変 血塗れの足で
ひとりは 指が
ひとりは かかとが
ふたりは 結局おどれるの?
ふたりのまえには ふたごの兄弟
どうぞふたりにも 愛のお恵みを