夢野まち

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10/3/2024, 6:11:37 PM

桜の木の下には
タロの遺骨がある
桜の木の下へと
わたしが埋めた

風が吹くたびに
桜の花びらは散ったが
決して枯れることはなく
毎年 美しい花を咲かせた

桜は咲き続けたが
タロは戻ってこない
それでも わたしは
桜を愛でる

今年もまた 美しい花が咲いたと……
いつかの再会を願って

10/1/2024, 2:33:22 PM

 ぐるり輪る 誰ソ彼
 どろり影に 零レ堕
 ぽたり雫は 鉛ノ朱

 光さえ呑むその夕闇から
 魑魅魍魎はヤイヤイと
 這い出て踊り踊りゃ

 境界は潰え
 宴がはじまる

 さあ
 さあ さあ
 化かし化かされ
 愚かな生を嗤おうじゃないか?

9/30/2024, 2:12:57 PM

 昨晩のうちにリセットしておいた
 ばかげた関係性を
 早朝にリスタートとした

 まっ平らになったアレとコレ
 はじめましての感情で
 きみたちに挨拶するのさ

 日々はこの繰り返し
 
 明確な終着点もないままに
 曖昧と曖昧を糊付けして
 適当な理由を作るのだ
 
 本当の心も混ざらないまま
 嘘に嘘を重ねて
 承知の上で理解を得るのだ
 

9/29/2024, 3:13:45 PM

この部屋に存在しているのは
からっぽの思想と
からっぽのわたしだけ

ただひとりたゆたいながら
からっぽの部屋であるために
わたしさえも排除して

部屋は静寂に包まれる

9/28/2024, 2:41:40 PM

別れ際に
影をひとつ ぽつりとおとす

別れ際の
影をひとつ あなたはおって

その意味を 知るとき
荒れくるう 海にも似た
わたしの心に ふれるのでしょう

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