とても嬉しいことがあった
それは一瞬のことだった
とても嬉しいことがあった
思い出して浸るには十分だった
思い出して浸るあいだは
一瞬が永遠になることを知った
とても嬉しいことがあるたびに
その一瞬 一瞬を重ねながら
私は永遠に忘れないでしょう
地獄こそ理想郷と言う人もいた
天国しか理想郷とは言わないと
頑なに幸せな世界しか求めない人も
まさに十人十色
その十人十色すべてが僕を否定する
なら 僕は何を信じたらいいの?
いったい誰が僕の価値観を
肯定してくれるの?
答えは僕の中にしかないのなら
僕が自分を否定してしまったら
僕はどうすれば救われるんだろう
世界よ崩れてしまえ
何もかも終わりにしてくれ
それが僕の理想郷
きらきらの宝石たち
また朝がきて皆で作る一日
夜がくれば皆でぬくぬく眠る
きらきらの宝石たち
そんな毎日を折り重ねて
いつかは素敵な夢を叶えてく
大人たちは優しくて
友達はいつまでもあたたかくて
たとえ危険だとしても皆となら
ただ幸せで満たされていく世界
そんな もしもの世界
ありえたかもしれない
もう一つの物語 消えた幸せの側面
きらきら星の涙
きらめく星くずを集めて
かがやきの夢を織り上げる
これはそんな奇跡を夢見て綴る
小さな宝石たちの残酷な物語
ちいちゃいころの トラウマ
ねずみばあさんが わらうよ
ちいちゃいてをにぎって ねむったよ
ねずみばあさんが わらうから
ねずみばあさんは わらいつづけてる
いまも きえてくれないの
むかしと おなじで いやなのに
ねえ なんで わらってるの
えがおになじみすぎて
わらってないと こわれちゃうから?
ねずみばあさんのせいで
いまでも えがおがすこしこわいんだ
えがおをみるのも
ぼくがわらうのも……
やあやあ お嬢さん
紅茶の香に誘われたのかい?
スコーンで 恋をしたいなら
スパイスたっぷりの紅茶をどうぞ
おすすめはセイロンで
ついでにお砂糖は如何?
それとも 甘い甘い生クリーム?
一口飲めば心に花が咲くよ
もしもお嬢さんが夢に浸りたいなら
その時はアッサムの紅茶をどうぞ
さあ もう一杯どうぞ お嬢さん
だって紅茶は君の味方なんだもの
ほら こんなに香るでしょう?
だから このティーカップも味方なのさ
逃げないでお嬢さん
もう少しここにどうぞ
だって ここは終わらないお茶会
三月ウサギの用意した庭のお茶会
白うさぎを追うより楽しいお茶会
終わらせることのない気違いのお茶会さ