御蔭

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8/23/2024, 9:19:18 AM

愛情と憎悪は表裏一体でありながら究極の同位体。しかし、愛憎の対になるのは無関心。
魔女にとって、彼らは確かに仲間だった。色欲に溺れ、怠惰な生活を送る彼らを諌めたが、彼らの罪を全て押し付けられてしまった。騎士が彼女を救い出したが、壊れた心は戻らない。
助けを乞う言葉も、下される判決も、魔女はぼんやりと聞いていた。 彼らの転落やその末路はどうだっていい。自分を大事にしてくれる騎士がいるのだから。


裏返し

8/22/2024, 9:44:51 AM

閉館後の片付け作業。来館者は皆帰ったはずなのに、足音が聞こえる。少し目を離していた間に、出しっぱなしの椅子も、机の上にあった本も元に戻されていた。
いたずら好きな精霊かと考えつつ、出入り口を施錠しに向かう。そんな彼女の背後に、長い影が覆いかぶさった。


「夜隅の狩人」
鳥のように

8/21/2024, 9:49:12 AM

「ドクター、貴女を愛しているんだ」

彼は確かにそう言った。しかし、先程から勢いは衰えず、フードまで外される始末だ。

「待って、将軍……それ以上は」




さよならを言う前に

8/19/2024, 9:59:01 AM

自分の顔や肌を隠すのが習慣になって、いつしか晒すことが恐怖に変わっていた。信頼できる相手にもそれは変わらず、誰も私の顔は知らないまま。
テラを離れた今もそれは変わらない。刀剣男士はともかく、審神者たる者は黒や茶色の控えめな色目の髪や瞳が多い。
それもあって、変わらず隠していた。
誰にも見せることなんてもうないと、思っていたはずだったのに。

「主、ちっくと聞きたいことが……」

髪の毛を乾かしていた時、背後から声をかけられた。鏡越しに目が合って、何も考えずに振り返った。

「おお!おまさん、綺麗な顔立ちをしちゅーやいか」

心臓が止まるような感触がした。

「鏡」

8/12/2024, 10:00:24 AM

「まさか本当に“天使”になるなんて、誰が思うんだよ」

その棺の蓋が固く閉ざされ、花一つ添えることも叶わず。男はただ静かに送り出すことしかできなかった。

持ち主を失った麦わら帽子は燃やされることなく、助手席に在り続ける。

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