僕はただの村人だった。
特別な力のことや待ち受ける運命のことなんか何も知らなかった。
七つの時に親がいなくなって、そこから弟と二人で暮らしている以外には何一つおかしなところはない、ただの村人だった。
……なのに。
村が滅び、僕が死んだあの日から、僕はただの村人ではなくなった。
生き返しを受け、他者の体を借りて旅をすることになったけど、旅を続けていくにつれて僕は特別な存在なのだということを知っていくことになった。
勇者の盟友だと判明したり。
竜族の解放者になったり。
自分が5000年前の人間だとわかったり。
敵対しているはずの大魔王に就任したり。
この世界を見守る英雄として選ばれたり。
光の女神の故郷を救ったり。
……ただの村人だった僕がどうしてこんな、怒涛の運命を背負っているのかわからない。
旅は好き。出会う人々も好き。人を助けることも好き。
でも、旅を続けていくにつれて名声と力が増えていくのは少しイヤ。
先々代の勇者からバケモノのような力だと称された時はすごくショックだった。
僕だって好きでそうなったわけじゃない。守るために戦っていたら自然とそうなっただけ。
叶うことなら何も知らないままあの村で平和に暮らしていたかった。
特別な力や肩書きなんて知らなくてよかった。
……嗚呼。僕の旅はいつ終わるのかな。
でもきっと永遠に終わることなんてない。
運命が許してくれないだろうから。
§
元ネタはドラ◯エ10です。
主人公は他のド◯クエ主人公よりも過酷すぎる運命を背負っているなー、とつくづく思います。
ストーリーは次のver8で完結らしいですが、はたして今度はどんな運命が待ち受けているのやら……
ちなみにダウンロード版がSwitchなら明日まで、Windows、PS4なら明後日まで80%オフです!
気になる方はぜひ買ってプレイしてみてください。
あーもー、どうして間違えちゃったんだろ。
悪い夢なら醒めてほしいよ……
よりにもよって知らない町だし……
どうして一時間も間違えたりするかなあ。
こんなことになるならめちゃくちゃ早く起きなくて済んだのに。目覚まし三個もつけなくてよかったのに。
バカみたいじゃん、私。
それにしても暇……マジでどーしよ。
……友達ー、早く来てー!
金曜日の夜、テレビから『ハートスラ◯プ二人ぼっち』の前奏が流れると「始まった!」とすごくワクワクしたものだ。
感動系から面白系、時にはえ? と思うような内容のVTR……
あえて番組名は伏せるが、普通に暮らしていたら知らなかったようなもの(爆発卵、北海道と沖縄では体重が変わるとか)もあり、中々ためになる番組だと思う。
……まあ、最近見てはないけども。
私は天才だから何でもできる。
難しい数式だってスラスラ解けちゃう!
ここにこの式を代入して……
あれ? でも文字がわからないわ。
いや……そもそも私数学嫌いだったはず……
……もしかして、これ、夢?
あっ! 自覚したから急に目が覚めていく!
待って〜! せめてこの式だけでも解かせてぇ〜!!
ハッ! ……やっぱり夢か。
あーあ、夢が醒める前にいろんな天才ムーブしとけば良かった。
そうすりゃ今後の話のタネになったかもなのに。
好きな人と同じ空間にいるだけで私は嬉しくなる。
あの人が私を見てくれる。それだけで私の胸が高鳴るの。
勉強がわからないフリをして、色々教えてもらったこどあったかな。
ずっとこの時が続けばいいのになって本当に思った。
だけど、それは絶対に叶いっこない。
明日、あの人はこの町を出て都会へ行く。夢を叶えるために。
夢に向かってまっしぐらなあの人の目はとてもキラキラ輝いている。
私にはそれを止める資格がない。むしろ応援しなければいけないのだ。家族として。
絶対に私とあの人とは結ばれることができない。結ぶことができない。
私の恋は始まる前から終わっていたのだ。