バスクララ

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10/1/2025, 2:14:30 PM

「いやー、秋だね!」
「この景色を見てその感想しか出てこねえのは流石としか言いようがねえよ」
 俺たちの眼前にあるのはたくさんの落ち葉の入ったゴミ袋。しかも家の敷地内だけでなく、道路にもそこそこ落ちていたものたちだ。
 学校が休みの今日、やらねばなるまいと竹箒とちりとり、45Lのゴミ袋を用意してさっさか掃いていた。
 最初は俺一人でやっていたのだがいつの間にか幼なじみ殿も参戦して、ようやく終わった。
 時間にしておよそ一時間ぐらいだが、体感的になんだかもう少しかかったような気もする。
「さて。一仕事終えたからお腹すいたね。
秋の訪れを記念して……新作ラテやフラペチーノでも飲みに行かない?」
「何の記念だ。ただお前が飲みたいだけだろうが」
「むう、バレたか」
 少し不満げな顔になっている幼なじみ殿を横目に俺は玄関に置いてあったショルダーバッグを手に取り、そのまま外へ出てカギをかける。
「あれ、出かけるの?」
「ん? 飲みに行くんだろ? 新作ラテとフラペチーノ」
「え? でも君……」
「行かねーの?」
 俺がそう訊くと幼なじみ殿は顔をパァッと明るくして「行くっ!」と元気よく返事した。
 なんやかんや幼なじみ殿には世話になってるし、今日も手伝わせてしまったようなもんだから、ちゃんと礼をしとかないとな。
 まあ……これが礼になるのかはわからねえけど。
 ……結構嬉しそうだからこれで良い……のか?

9/30/2025, 2:08:45 PM

まだ見ぬ景色を求めて僕たちは歩く。
世界のほとんどを見てきたような気もするけど、それでもまだ満たされない。
本当はうっすらわかってた。まだ見ぬ景色なんて建前で、実際は片割れの姉と一緒にまだまだ旅をしていたいって。
僕たちは旅が……いや、この世界が大好きだからいつまでも巡っていたい。
だから旅は続く。僕たちが歩みを止めるその時まで。
それで最後に笑っていられたら、幸せな人生だったと胸を張って言えるだろう。

9/29/2025, 1:31:07 PM

モノクロで彩られた部屋。
ティッシュがあり、ノートパソコンがあり、スケッチブックがあり、外につながる白い扉があり、黒猫がいるモノクロの空間。
そこが彼の部屋。
彼はかけがえのない友達がいた。
かわいいものが好きで少し男勝りな友達。
クッキングが得意でお人好しな友達。
ちょっとやんちゃだけど仲間想いな友達。
植物と友達の写真を撮ることが大好きな友達。
そして、いつも穏やかで優しい姉。
彼を含めた六人で遊んだりピクニックしたりするのが彼の日常だった。
だけどある時友達の一人がいなくなってしまう。
彼と友達たちはいなくなった友達を探しに冒険へ旅立つ。
そこで困難や過去を乗り越え、行き着く果てに彼は何を思うのか。
彼は……あなたは、何を選ぶのか。

 大丈夫。きっとうまくいく……


§


元ネタはゲーム『OMORI』です。
名作ではあるのですが……少し、人にオススメしにくいゲームです。
確実に心に残るゲームではあるので気になる方は実況を見たり実際にプレイしてみてください。

9/28/2025, 2:48:47 PM

永遠の絆だとか、永遠の愛だとか……その時は永遠にこの思いが続くと信じている。
永遠なんて、ないけれど……でも、今推している人やゲームもいつか冷める日が来ると怯えて日々を過ごすより、私は永遠にあの子を愛するんだ! と情熱を持って推す方が幸せなのかもしれない。
その方がより強く心に思い出として残るのだろう。良くも悪くも。

9/28/2025, 12:55:07 AM

情けない……と強く思いつつやってしまったことを後悔する。
体を襲った一瞬の痛みと、近い内に訪れるであろう激痛を想像したら涙が出そうだけど、そんなことで打ちひしがれてる場合じゃない。
早くしないと……廃品回収車が来ちゃう……!
玄関には断捨離した古い雑誌とか新聞とか少々の段ボールが大量にあるから出さないとヤバいのに、なんでこんな時に腰にピキッときちゃうんだ……!
うおおおおッ! 頑張れ私の腰! ピキリは気のせいだ!
明日の私のために頑張ってくれ!

……廃品回収には間に合ったし、玄関もスッキリした。
だけど私は寝込んでいた。
涙の理由? それは聞かないで……

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