Midnight Blue……直訳すれば真夜中の青。
その色は暗い青色であり、真夜中を思わせる深い色。
明かりの乏しい真夜中の空は果たしてこの色をしているのだろうか?
そうであってもそうでなくても、この色は真夜中の青であり続けるのだろう。
語り続ける人がいる限り。
一人だと寂しいけど、君と一緒なら平気なんだ。
君と僕は強い絆で結ばれているから何も言わなくても心で通じ合ってる。
ほら、君もとても期待に満ちたキラキラした目をしてる。
大好きな君。君と飛び立つ今日この日をずっと待ってたんだ。
高いところから飛んでどこまでも行こう。
そして空の果てをこの目で見るんだ!
自分なりに真面目にやったつもりだった。だけど思うような結果が出なかった。
落ち込んでいる俺に友が慰めの言葉をかける。
「一生懸命何かに打ち込んだことや、一生懸命努力したこと。
それがどのような結果になっても、得た知識や経験はおそらくたぶんきっと忘れないはずだよ」
……なぜ最後をあやふやにしたんだろう。それさえなければ良い言葉だと思うのに。
「……なんで断言しないんだ?」
「ふとした時に忘れちゃうかもしれないじゃん。記憶喪失とかで。
未来なんて誰にもわかんないんだからさ。
だから僕はそういう言葉を言わないようにしているんだ。
断言してほしかったら言い直すけど?」
ほとんど表情を変えずにそう返す友に俺は何だか笑いが込み上げてきた。
そして笑顔のまま俺はこう答える。
「いや、そのままでいい。その方がお前らしいからな。
俺、今日のことおそらくたぶんきっと忘れないよ」
友は少し驚いたような顔をしたがすぐにゆるく微笑んだ。
「うん。それでいいよ」
忘れなくてもいい。忘れても構わない。
そういうスタンスもたまにはいいかもしれないと友を見て思った。
突然だが私は今、宇宙船にいる。
ただ散歩をしていただけだった。なのにいきなり強いスポットライトの光に照らされたと思った瞬間、体がふわりと浮いた。
わけもわからずに喚き散らしながら上を見ると、いかにもUFO然とした形の……確かアダムスキー型とか言われてるやつがぐんぐん近づいてくる。
ということはこの状態ってキャトルミューティレーション中ってこと!? とパニックになってギャン泣きしながら宇宙船の中に吸い込まれた。
絵に描いたようなグレイ型宇宙人が何体かいて、私を見てヒソヒソと何かを話していた。
そしてめちゃくちゃ流暢な日本語でなぜ泣くの? と聞かれたから、私は怖いと震える声で答えた。
宇宙人はまたヒソヒソ話をして、私にふわふわ毛布と全く見たことのないマスコットキャラのようなぬいぐるみを渡した。
意図がさっぱりわからなくてまた涙が出てくる。
宇宙人はそれを見てオロオロしている様子だった。
そしてまためちゃくちゃ流暢な日本語で怖くないよーと笑顔? を見せてくる。それがなんだか面白くてフッと笑ってしまった。
宇宙人の方も嬉しそうになってあれやこれやと手渡してきたり、めちゃくちゃ流暢な日本語で何かを話したりしていた。
変な異文化交流みたいで私も楽しかった。
……それが今から一時間くらい前のことだけど、私、いつになったら帰れるのかな……?
ひたひた、ぺたぺた。時々どすどす。
廊下を歩く足音をよく聞いてみるとなんだか面白い。
とことこ、てくてく、どたばた、てちてち……
足音だけでこんなにもオノマトペがあるのもすごいけど、一つ一つ歩き方などが違うと認識できる私たちもすごいと思う。
足音だけでもいろんな音があると気づいた人も、それを言葉に残した人もすごい。
みんなすごいんだ。