僕は疑問に思っている。
虹はどこから出るのだろう……と。
お母さんやお父さんに聞いても小学校の先生に聞いても、わからないとか水滴の反射とか難しいことを言われて僕はちょっとうんざりしている。
だから僕は夏休みの自由研究で虹について調べることにした。
そしてついでに虹のはじまりを探して町内をくまなく歩くつもり。
虹のはじまりはきっとカーテンみたいになってるはずだから見つけて写真を撮るんだ。
あ、もしかしたらどこかに虹発生装置があるかもしれないからそれも探してみよう。
いろいろ忙しい夏休みになりそうだけど、頑張るぞ!
推しの存在は誰が何と言おうと心のオアシスだ。
推しがいるだけで生活も人生も彩り豊かになる。
推しのために生活を改める人もいれば、習い事を始める人もいる。
推しを中心とした創作を作る人もいれば、推しを神格化して神棚のようなものを作ってしまう人もいる。
もちろん、誰にも教えず知られずひっそりと推しを愛でている人もいる。
推しは多ければ多いほど良いという人もいれば、唯一神の如くただ一人の推しが好きな人もいる。
誰かが同じ推しを好きなことに喜びを覚える人もいれば、怒りを覚える人もいる。
まさに多種多様でおもしろい。
かくいう私も、推しをカッコよく描きたいと強く思ったので絵の練習中である。
しばらくは脳内イメージと自分の絵のギャップに苦しむ日々が続くだろう。
それでも私はめげない。
推しをカッコよく美しく上手に描きたいから!
彼女はいつも頑張っている。
私よりもかなり小柄だけど、革命軍のリーダーとして前を向いてグイグイ引っ張っている。
明るくて、笑顔が素敵で、心優しい素敵な彼女。
どんな困難にぶつかっても、どんな逆境でも、彼女は不敵に笑って「むしろ燃えるわ!」とやる気を見せていた彼女。
そんな彼女をみんな信頼して尊敬している。
誰にも弱いところを見せないけれど、私だけは知っている。
彼女が毎夜うなされていることを。
それを知ったのは偶然だった。その日とても怖い話を聞いてしまって、たまたま近くにいた彼女に一緒に寝てほしいと頼み込んだのだ。
彼女はすぐに快諾したから……まさか自分がうなされているなんて思いもしていないはず。
私はうなされていることを知った日から何かと理由をつけて彼女と一緒に眠っている。
「たすけて」「くるしい」「いやだ」「死にたくない」……彼女はずっとその言葉を繰り返している。
私はいつも安心させるように彼女へ子守唄を歌っている。
そして涙の跡も拭き取ってそっと頭を撫でるのだ。
夢の中でも安らぎを得られない彼女のために、少しでも安心感を覚えられるように。
この秘密は私だけが知っていればいい。
仲間たちも彼女も知る必要なんかないのだから。
半袖の白いシャツのあなた。
照らす太陽光が反射して眩しくて、あなたのことを直視できないの。
だけどそれを『カッコいいから直視できない』と前向きに解釈するあなたのこと、私は好きよ。
超ポジティブマンでちょっとナルシスト気味なあなた。
付き合うことになった時は友達や仲間内から色々言われたけど、あなたといると毎日退屈しないの。
あなたにとって私もそうであると嬉しいわ。
だから、いろんなところへ行って、いろんなものを見ましょ。
あなたの思いや考えをもっともっと知りたいの。
……でも一つだけお願いがあるの。
半袖の白いシャツがお気に入りなのは充分にわかったから、今年の冬はさすがに長袖にしてね。
見てるこっちが寒かったから。
もしも過去へと行けるなら、私なら何をするだろうか。
過去の黒歴史をなかったことにするか、今はもう出来ないあのFlashゲームをもう一度プレイするか……
いやいや、当時話題になったあの作品を映画館で見るというのもアリだな。
今では入手困難なあの本やあのグッズを買うということもできるな。
あの電車のラストランも見られたりするのかな?
でも私が考えているより遥か過去……例えば戦国時代や縄文時代、下手をすれば白亜紀に行くとなれば……私は御免蒙りたい。
サバイバル知識も戦う力もほとんどない、現代機器に慣れきっている人間なんて一日生き延びられるかどうかだろうから。