バスクララ

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彼女はいつも頑張っている。
私よりもかなり小柄だけど、革命軍のリーダーとして前を向いてグイグイ引っ張っている。
明るくて、笑顔が素敵で、心優しい素敵な彼女。
どんな困難にぶつかっても、どんな逆境でも、彼女は不敵に笑って「むしろ燃えるわ!」とやる気を見せていた彼女。
そんな彼女をみんな信頼して尊敬している。
誰にも弱いところを見せないけれど、私だけは知っている。
彼女が毎夜うなされていることを。
それを知ったのは偶然だった。その日とても怖い話を聞いてしまって、たまたま近くにいた彼女に一緒に寝てほしいと頼み込んだのだ。
彼女はすぐに快諾したから……まさか自分がうなされているなんて思いもしていないはず。
私はうなされていることを知った日から何かと理由をつけて彼女と一緒に眠っている。
「たすけて」「くるしい」「いやだ」「死にたくない」……彼女はずっとその言葉を繰り返している。
私はいつも安心させるように彼女へ子守唄を歌っている。
そして涙の跡も拭き取ってそっと頭を撫でるのだ。
夢の中でも安らぎを得られない彼女のために、少しでも安心感を覚えられるように。
この秘密は私だけが知っていればいい。
仲間たちも彼女も知る必要なんかないのだから。

7/26/2025, 12:58:37 PM