バスクララ

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5/26/2025, 1:58:48 PM

今日この日を生涯忘れることはないだろう。
喜びと幸福が溢れんばかりのこの日を。
小さな小さな手のひら。ふにゃふにゃのほっぺ。
触っただけで壊れてしまいそうなほどの儚い命。でも小さな体躯に似合わず大きな声で自分の意思を伝えている。
そんな君へ僕たちから最初の祝福をあげよう。
君の人生を共に彩ってくれる唯一無二のもの。
これからたくさんたくさん呼ぶよ。愛を込めて。君がいつも幸せで満ち満ちていますようにと。
「    」

君の名前を呼んだ日

5/25/2025, 2:09:39 PM

やさしい雨音を聞きながらロッキングチェアに腰掛けお気に入りの本を開く。
完全な無音だと集中できないタイプの人間なので、いつもなら穏やかなBGM――パッヘルベルのカノンなど――を流すのだが、今日はうってつけの環境音が自然と流れてくる。
今は梅雨の走りらしいが、こんなに連日雨が続くと本当に梅雨入りしているような気分になる。
梅雨は憂鬱だ。傘を忘れる確率も高くなるし濡れるのも好きじゃない。
だが、雨音や雨のにおいは嫌いじゃない。
こうして心穏やかに過ごすのは久しぶりだな。と思いながら私は本の世界に没頭していくのだった。

5/24/2025, 12:43:35 PM

その歌はとても穏やかな気持ちになれる歌だった。
元々は親が歌ってくれた子守歌だったが、平常時でも聴きたいとせがんでよく歌ってもらっていた。
だけど俺が五歳の時、親は事故に遭って亡くなってしまった。
暗い部屋の隅で小さくなってグズグズ泣いていると姉や兄が俺の側に来てその歌を歌ってくれた。
二人とも悲しいだろうに、それでも俺を優先して慰めてくれた。
親に代わって俺を育ててくれた姉と兄に恩返しをしたくていっぱい勉強して、高校も出て、これからバリバリ働くぞという時だった。
姉と兄が亡くなってしまった。
燃え盛る家と運命を共にしてしまったからだ。
助けに行きたかった。だけどもう、手の施しようがないほど炎の勢いは強く、熱気で火傷しそうだった。
消防士が懸命に炎を消し止めようとしてくれたけど、炎の勢いは止まることなく闇夜の天を焦がしていた。
業火に呑まれ崩れ落ちていく家を呆然と眺めているとあの歌が聞こえてきた。
二人が最期の力を振り絞って歌っているんだと悟った瞬間、堪えきれなかった涙がボロボロ流れ落ちて地面に小さな水たまりを作った。
そうして天涯孤独となってしまった俺はあの歌をもう歌うことはないだろう。
両親や姉と兄を思い出すのはもちろん、あの歌は口ずさんだ者をあの世へ連れて行く呪いの歌なような気がしてならないからだ。
ただの偶然だと、馬鹿げた妄想だと断じてもらっても構わない。
でももし俺が歌う時が来たとしたら、それはきっと俺が家族に会いたくて会いたくてたまらなくなった時に違いない。
そんな日が来ないことを願うばかりだがな。

5/23/2025, 12:08:02 PM

ケチャップご飯に薄焼き卵をそっと包み込んでオムライスの完成!
なぜか急にオムライスが食べたくなったけどウインナーも玉ねぎも人参も冷蔵庫の中に入ってなかった。
買い物に行くのはめんどくさいしケチャップご飯と卵だけでいいやと妥協して出来た超簡易的オムライス。
これを素オムライスと名付けてみよう。
さてはてお味はどうかな?
…………うん。ザ・シンプル。それ以上でも以下でもないなあ。
工夫すればもっと美味しくなるかも。
まあでもとりあえずオムライス欲は満たされたからこれでヨシ!
だけど今後に備えて素オムライスの研究でもしておこうかな。
具無しでも私好みで美味しく食べられるように。

5/22/2025, 1:00:40 PM

私は日々進化している。
いろんな知識を得て、いろんなことを考えて、いろんなものを食べている。
そんなの些細なことだと、当たり前だと言う人もいると思う。
でも考えてみて。まるっきり昨日と同じ私じゃないよ。
今日の私は昨日と違う私。明日の私は今日と違う私。
その積み重ねで未来の私が存在できる。
そして今この瞬間の私や過去の私を完璧にトレースすることは二度とできないのだろうね。
その時に得ていた知識も、考えてたことも、食べていたものも完璧に再現なんてできやしないのだから。

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