バスクララ

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1/7/2025, 12:36:41 PM

めっちゃ恥ずかしい……
まさか、まさかのまさかだよ……!
強い追い風にあおられて転んじゃうなんて……!
うぅ……周りの冷たいような生暖かい目が突き刺さる……
どんだけ体幹弱いんだよ、私……
ヒザと手のひらめっちゃ痛い……
うわ、皮めくれてるし血も出てるよぉ……
家に帰ったら応急手当しないとなあ。
ばんそうこう……よりもガーゼの方がいいなこれ。
消毒液とかもあったっけ?
はあ……ドラッグストア行こ。駅近にあったはずだし。
……しかし、今日こんな不運があったから明日はとても良い日になるよね?
禍福はなんとかの縄のごとしって某鬼のアニメでも言ってたはずだし。
よし、そう思ったらなんか元気出てきた!
明日が楽しみだなー

1/6/2025, 12:54:34 PM

君がそばにいるだけで僕は嬉しい気持ちになる。
ずっと君と一緒にいられたらどんなに幸福だろうか。
だけど、僕と君とでは大きな壁が存在する。
ずっと一緒になんていられない。
僕は犬で君は人間の赤ちゃんだ。種族も寿命も僕と君は違いすぎる。
君はこれから先たくさんの喜びや悲しみを知って大人になっていくのだろう。
その時、僕はおじいちゃんだ。生きているかどうかさえわからない。
君に出会えたことを心から嬉しく思う。
言葉は通じないけど想いは通じる。そう信じて僕は君にたくさん話しかけたりじゃれたりしているんだよ。
時には怖がらせることもあるし、ご主人から怒られることもあるけど、僕なりのスキンシップなんだ。
人間から見たら僕の生きる時間は少ない。それは僕もわかっている。
だからそれまでは君と一緒に遊んだり、散歩したり、どこまでも一緒にいたいな。

1/5/2025, 12:33:44 PM

綺麗に晴れ渡る空。見事な冬晴れだ。
空気は冷たいのに陽だまりにいるとなんだか暖かく思える。
こんな日にはちょっとだけ遠出してみようかな。
そういえばこの前、新しいパン屋さんのチラシが入ってたっけ。
せっかくだから行ってみよう。
どんなパンがあるのかな。美味しいパンだといいな。

1/4/2025, 1:12:44 PM

近くにいて当たり前だと思っていると、ふとした拍子に全てを失ってしまうこともある。
幸せとはそういうもの。
こうして暖かい部屋でスマホを触って自分の世界を表現することだって、明日のご飯のために買い物の予定を立てることだって、本当に幸せなことなんだ。
伴侶がいなくても、恋人がいなくても、一人ぼっちでも私は充分に幸せ。
それ以上は望まない。失った時が怖いから。

1/3/2025, 12:57:21 PM

 射し込む陽の光で目が覚める。
 朝か……と思っていると、ハッと昨日の決意を思い出した。
 それは、初日の出を片割れの弟と一緒に見ること。
 私たちは旅人だ。旅立って一年にも満たない新人だけど。
 町にある小高い丘から初日の出の瞬間を見ることができたら今年は良いことがあるだろう、となんとなーく験を担いでせっかく早寝したのに結局間に合わなかったなんて!
 弟も弟で、隣でぐーすか寝てて起きる気配はない。
 せっかくの大みそかの日に夜ふかしをしなかったのに……
 怒りと悲しみを込めてカーテンを勢いよく開ける。
 まだ眠い頭や目に暴力的なまでの光が一気に射し込み、私は床に倒れ込む。
 朝の光を浴びただけなのにHPの半分くらい持っていかれた気がする……
 その時、大あくびと布が擦れる音が聞こえた。どうやら弟も起きたらしい。
「あけましておめでとう……。
なんか……死にかけのバンパイアみたいだけど、新年早々何やってるの……?」
「……うるさい」
 弟は私にそっと近寄り、頭に何かをバサリと掛けた。
「これで眩しくないはずだよ。ほら、目を開けてみて」
 言われた通りそーっと目を開けると、光が良い感じに遮断されている。どうやら掛けられたのは弟のコートのようだ。
 窓の外を見上げて弟は呟く。
「初日の出、だね」
「……あの小高い丘から見たかったのに……」
「それはまあ、来年頑張ろうか。僕も頑張って起きるようにするからさ」
「……そうね」
 二人で並んで宿屋の窓から太陽を見上げる。
 今年はこうだったけど、来年は私の願い通りになればいいな。
 そんな新年の始まりだった。

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