朝起きたら喉が痛い。風邪引いちゃったかなあ……。
おかしいなあ。お腹出して寝てないし、お風呂から上がったらすぐに体拭いて髪も乾かしてるのに……。
外から帰ったら手洗いうがいも毎日ちゃんとしてるし、みかんもこの時期は毎日食べてる。
寝室には加湿器もつけてるし、湯たんぽだって完備してる。
学校からもらってきちゃったのかなあ。
でも、露骨に咳とか鼻水とか出してる人、そんなにいないけどなあ。
うーん……? じゃあなんで喉が痛いのかな……?
何か変わったことしたっけ……?
あっそうだ、昨日カラオケで熱唱したんじゃん!
そうだ、それで痛いんだ。あー、スッキリした。
さてさて、原因がわかったから朝ごはん食べてのど飴舐めてうがいしてマスクして学校に行きましょうかね。
今日からテストだ。ほとんどノー勉だけどなんとかなるっしょ。
それが終わったら楽しい年末旅行だ。それまでに風邪治さなくっちゃね。
冬になったら雪が降って積もるものだと信じていた。
まあその思いは小学生になる頃にどうやら違うらしいと悟ったけど。
僕が住んでいるこの地域はあんまり雪が降らない。
降ったとしても積もらないから、雪遊びなんて夢のまた夢だ。
それでも雪が降ると嬉しいから、僕は雪を待つ。
それに雪が降ったら、ものすごく寒くてもなんとなく諦めもつくからね。
街路樹を彩るキラキラのイルミネーション。
子供の頃、それはそれは目を輝かせて食い入るように見ていたっけ。
大人になった今思うことは、あー今年もそんな時期かという感想。
キレイとは思うけど、子供の頃みたいな感動は薄れてしまった。
あの頃は寒空の中親を待たせてまでじ〜っと見上げてたのに……。
そう考えたら大人になるって寂しいかもしれない。
けど、大人にしかできないこともある。
さーて、家に帰ってお鍋の準備をしないとね。
子供と夫がお腹をすかせて待ってるもの。
私にいっぱいの愛を注いで。
あなたのためにキレイな花を咲かせるから。
優しく甘い言葉や、明るく楽しい言葉。それらを囁いてくれたら頑張ってもっともっとキレイになるわ。
大好きなあなたのために、私は大きな花を咲かせたいの。
あなたがメロメロになるような魅力あふれる私になりたいの。
だから愛を注いで。
あなたの一番のお気に入りの花になるために。
『離れていても心と心は通じ合ってるよ。
だから心配しないで。私は新天地でも元気でやってるから』
そんな手紙が届いたのはあの子が引っ越してすぐのことだった。
幼稚園からの友達。小学校、中学校と同じ学校だったから高校もあの子と同じところにしようと思っていた。
だけど、親の都合であの子は遠くに引っ越すことになってしまった。
とてもショックだったし、信じたくなかった。
クラスでお別れ会をやった時だって私はわんわん泣いた。周りが引くぐらい泣いた。
引っ越し当日、私の思いを綴った手紙を渡してやっぱり泣いた。
あの子はそんな私を抱きしめて優しく撫でてくれた。
親以外の人から抱きしめられるのは初めてだったし、ちょっと照れたけど……温かくて、ふわふわだった。
あの感覚をもう一度味わいたいな……。
いやそれよりも今は手紙のお返事を書かなきゃ。
心と心が今より以上に、もっともっと強固に通じ合えるように。
あの子に届け、この思い。