足音

春の学校で…コツコツと足音がする
夏の砂浜で…ザクザクと足音がする
秋の森林で…ガサガサと足音がする
冬の積雪で…サクサクと足音がする

私は足音が聞こえない
当たり前のことだけど…
ごめんね…

あの時…一緒に足音を奏でていたら…
きっとこんな風にならなかったよね？

終わらない夏

暑い
ただ暑いの一言だけが浮かび上がる

でもそれが心地いい
じめっとする空気を感じると
夏だと感じる

全身にまとわりつく夏は
まだ私を離してはくれないらしい

でもそれも全部気候のせいにできるから

まだ夏は終わらない
まだ夏を終わらせない

遠くの空へ

今日も君の帰りを待っている
帰ってこないはずの君を待つ

私は君のことを愛せたかな？

小さい頃から遠い空を眺めていた君の顔は
虚ろで何かを忘れたみたいに眺めていたよね

それから君は遠くの空へ飛び立ったのだ…

痛みも苦しみのない場所
それが空にあったから

！マークじゃたりない感情

『あの大丈夫ですか？』

私は蹲る君に聞いてみた
でも君は首を振るばかり

でも私は今焦っているから

君のことばかりでないの

でも君の顔を見て電流が全身をかけ巡った

だって君が…
助けて欲しそうな顔をしてたから

君が見た景色

『綺麗…』

思わず見惚れる景色に息を呑む

誰もいない客席だが
静かに重圧が私を襲う

彼はこんなところに立っていたんだ

人がたくさん入れば
それはもう大きな怪物に変わるだろう

私は彼の隣に立てない…
彼よりも弱いから…

君が見た景色は…
ただ怖いだけだったのかな