最悪なことが起こった
ほんっとおに最悪だ。
好きな人にマスクを取ったときの顔を見られた。
ウイルスが流行り始めてからずっとマスクで素顔は隠してた。
だから私はマスクを人前で外すことが嫌になっていた。
しかし、あいつは私のほっぺをつつくふりをして、そのまま私のマスクを取りやがったのだ。
あいつは元々スキンシップが多かった。もちろん、私以外の友人にもたくさんしている。
だからほっぺを突こうとしてきていることに違和感は感じなかった。
そして私は避けることができなかった。
あいつは私のマスクを取って私の顔を見た時どう言ったか、それは
「なんか思ってたのと違う」
だ。
私はショックを受けた。自分で言うのもアレだが、自分自身の顔にはそれなりには自信があった。少なくとも、平均よりは顔面偏差値は上だろうと思っていた。しかし、あんな言われ方をしてしまった。
最悪すぎた。
でも、あいつの耳先はチョットだけピンク色に染まっていた。
狭い部屋
僕はずっとずっとここに閉じ込められている。
外の景色を見たのは何年前の話だろうか。
失恋
付き合う前は、片目で見られてる。
だから自分の欠点が気づかれない。
付き合ったあとは両目で見られる。
だから自分の欠点ばかりに気づかれる。
そして恋は終わる
正直
正直に言うね。
私は、ずっと隠してたことがあったんだ。
言うのが怖くって、ずっとずっと言えなかった。
実はね、私、あなたのこと─────
風でよく聞こえなかったから、もう一回行って?
「あなたのこと、ずっとずっと前から人外だと思ってました!」
「だって、ケモミミ生えてるし、まぁ、俺は人外だよ?」
梅雨
普通に雨が降っているだけではなんとも感じない。
でも、梅雨になると気分が沈んでしまう。
だって梅雨は私のリアルを表現して、からかっているようにしか見えないから。
でも、梅雨は好きだ。
私のリアルをからかっているような気もするけれど、梅雨はからかうことができるくらいに私のことを知ってくれている気がするから。
あと、雨の音が好きだからという理由もある。
小雨だったらポツポツ。大雨だったらざーざーと。まるで合唱を聞いているよう履きがするから。
だから私は、梅雨のことを嫌いになることはできなかった。