#春恋
突然だけどさ、春って青春だよね。
なんだコイツって思ったでしょ。でもこれ、私の深刻な悩みなの。
ずっと仲良かった親友の美玲に、彼氏ができちゃって。
それから、美玲はずっとその彼氏と一緒にいるんだ。
私と一緒にいた存在が遠くなったような気がして、悲しかった。
でもそんな私にも、モテ期(?)が来て、告白されたんだ。
相手は同じ部活の後輩の男の子。一生懸命なところも好きだったし、
オッケーした。しかし、私の人生が大きく変わるのは、このあとだった。
なんとなく気になって、美玲の彼氏の顔を見たいと言った。
そういえば見せてなかったねと、スマホのフォルダを開いて見せてくれる。
画面に映る男の顔を見た瞬間、心臓がバクっと大きくはねた。
美玲の彼氏は、私の彼氏だったからだ。浮気?二股?そっくりさん?
色々な考えが私の頭の中を駆け回る。顔面蒼白な私を不審に思ったのか、
美玲が心配してくれた。私は美玲にすべてを話した。彼氏が同じなこと、
そんな男をどうしたらいいのかということ…。二人で話し合った結果、
やっぱり同一人物だということがわかった。懲らしめてやるという思いを
胸に抱いて、私たちは作戦会議を初めた。
―翌日。
美玲・私「「私と別れてほしい。もう好きじゃないから。」」
元・彼氏「え、いや、待ってくださいよ!なんでですか?!」
私「なんでも何も、お前にキョーミねーから。じゃ。」
その後、美玲は「ずっと恋愛ばっかでごめんね。」と謝ってくれた。
そして、これまでもこれからも、最高の親友であることを誓った。
これは、A村さんという女の子の心に住む人々の物語です
TV『―続いて、明日の心の天気です。A村さんの心は曇り空となることが多いでしょう。
明後日は、心に大きな変化がありそうです。雲の模様はまだわかりません。
また、“凄腕心予報士”の高田さんによると、
“寒暖差が激しくなると考えられます。年頃の女の子に多い症状ですね。”
とのことです。…おっと、ここで速報です。なぜ寒暖差が激しくなりそうなのか、
判明したそうです。明後日は、A村さんが想い人に告白する予定だそうです。
失敗したとき用に、非常食が必要になるかもしれません。』
そして明後日当日。
『みなさん!告白が成功しました!天気は雲一つない快晴です!』
しかし、絶対に大雨になるだろうと考えた心の住民たちは皆、違う人の心へと
引越してしまっていたのでした。
#ひとひら
今日は、例のアレを実行する日だ。
いつもより高めにくくったポニーテール。いつもよりきれいに着るセーラー服。
鏡の前に立って気合を入れる。 …よし、行くか。
先輩の靴箱に、昨日用意しておいた呼び出しのメッセージカードを入れる。
呼び出しの約束の昼休み。相手は指定の場所に来てくれた。
緊張するけど、決意して。そこで私は言った。
「ずっと先輩のことが好きだったんです。だから、私の彼氏になってください…!」
先輩は、真っ赤な顔で小さく頷いてくれた。
そして、そんな私たちを祝うかのように、桜の花びらがひとひら舞い落ちた。
この風景を見るのも今日で最後か…。
砂浜に立って、そんなことを考える。
私は、親の仕事の事情で明日ここを発たなければならない。
イライラした時、悲しい時、しんどい時泣きたくなった時。
私はいつもここに来て、海を眺めていた。
お母さんには友だちと遊ぶなんて嘘を言って、本当はここに来てた。
ここにいると、不思議なんだ。
不安とか、悲しみとか、なくなっていくんだ。
海を見ているだけなのに。
「私、ここにもう来れないんだね。大丈夫かな、私。」
そういうと、波が大きな音を立てて、ザブーンと揺れた。
まるで、大丈夫だというように。
まるで、私の背中を押すように
①
太陽と月が違うように、僕と君も違う。
君ができて僕ができないことも、僕ができて君ができないこともある。
僕と君は全然違う。性格も違う。考えることも違う。
だからこそ、君との共通点を見つけられた時、嬉しくなるんだろうな。
だからこそ、君のことが気になってしまうんだろうな。
②
僕と君の関係ってなんなんだろう。
知り合い?友だち?恋人?
関係性なんて、ちょっとしたことで崩れてしまうんだよな。
それでもなぜか人間は「関係」ということを気にしてしまうんだ。
僕達は、知り合い?友だち?恋人?
...君さえ良ければ、「結婚相手」になりたいんだけどな。