Yankee、もう一回開いて
Yankee、わたしのID、18477211だよ。開いて!
私16時から病院だから、その辺よろしくっす!
#ここにある
ずっと、ずっと、さがしてた。
何よりいちばん、大切なもの。
でも気付いた。
そんなの、探す必要はなかった。
だって、それはここにある。
何より大切な、私の命。
#もう一歩だけ、
これは、赤ずきんの物語を赤ずきんのお母さん目線で書いたものです。
私の創作です。名前も本当ではありません。信じないでください。
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私は、夫の母、つまりお義母さんが大嫌いだ。私の娘、に血の色をした頭巾を作って、
ずっとつけさせているのだ。そのせいでマッペレは「赤ずきん」と呼ばれている。私と夫
がつけた「マッペレ」という名は忘れてしまったかのように…。そこで私は、お義母さん
を殺害する計画を開始した。今は病気という絶好のチャンスだ。
「マッペレ。病気のおばあさまにこのワインとケーキを届けて。」
病気の間にワインなんて飲めば三途の川を渡るのもすぐよ!
「分かったわ、ママ。でも私のことは『赤ずきん』と呼んで。」
イライラした私は声を荒げて言った。
「うるさい!あなたの名前は『マッペレ』よ!早く行きなさい!」
マッペレはワインが体に悪いことも知らずに、走って家を出ていった。
そして私は、スマホを開いて「オオカミ」という連絡先に電話した。
「今、マッペレが家を出たわ。お義母さん家へ行って、お義母さんとマッ
ペレを殺して!あの子を殺すのは避けたかったけど…あの子に、この計
画がばれるほうが嫌だったからね。」
「へいへい。お代はいかほどに?」
「あの子とお義母さんを喰えばいいじゃない。」
「俺とお前の仲だ。許そう。」
オオカミのその声で私は電話を切った。
しかし5時間後、マッペレは帰ってきた。どうして?あいつを殺せていない!?マッペレが言った。
「色々あったけど、おばあちゃまがケーキとワインを飲んで元気になったんだ。良かった!」
…もう一歩だけだったのに。もう少しだけアルコールを入れてたら、あいつは死んでたはずなのに!
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#隠された真実
(長いですが最後まで見ていただけると嬉しいです!)
私、三条 美紀は、よく知られている三条グループの令嬢だ。今年で高校2年生になった。
私は、中学3年生のときに事故に遭い、それまでの記憶がすっぽりと抜け落ちている。
その記憶を思い出そうとすればするほど、私の頭には「?」の文字が広がっていく。
でも案外、記憶がなくても困ることはなかった。
記憶がない、と言っても失ったのは小学6年生から、事故に遭った中学3年生までの記憶だからだ。
それに何より、令嬢である私には専属のお世話係がついている。
彼の名前は榊 竜也(さかき りゅうや)。
竜也のお陰で、私は、記憶を失ってもどうにか元気でいられている。
ただ、一つ気になることがある。
それは、中学1年生の私と、記憶を失ってから出会ったはずの竜也との写真があることだ。
中学1年生の頃の私と竜也は出会っていないはずだ。
なぜなら、竜也は記憶を失った私をサポートするために私の家に来た。
中学1年生の私は、まだ記憶を持っているから、竜也との接触はなかったと思っていた。
だから気になって竜也に訊いても、「さあ、私には分かりません。」とはぐらかす。
記憶を失う前の私は、竜也とどんな関係だったのだろう…。
好奇心が抑えきれなくなって、竜也の部屋に向かう。今日、竜也は出張で家にいないはず。
竜也の勉強机に、何やらノートがあった。表紙には「日記帳」と書いてある。
自分に「だめだ」と言いながらも、ここまできたらもう引けない。
そのノートを手に取り、はじめのページを開いた。そこにはこう書いてあった。
「5月14日 美紀が事故に遭ってから5日たった。記憶を失ったらしい。
ということは、恐らく俺と付き合ったことも忘れたのだろう。
ちょっとでも思い出してほしいからって世話係になるなんて、俺、変態かも。
でも、これからは『美紀』じゃなくて『美紀様』か…。悲しいな。」
それは信じがたいことだった。でも、そう考えると、あの写真にも納得がいく。
―ガチャ
部屋の戸が開いて、
「見てしまいましたか、美紀様。」
声が出なかった。なんと言えば良いかもわからなかった。竜也は続けた。
「私が彼氏だったと知ったら、美紀様を困らせてしまうと思い、ずっと隠しておりました。」
「『美紀』って呼んで。思い出したよ。竜也。このネックレス、竜也がくれてたよね?
ずっと忘れててごめんね。不安にさせたよね。これからも彼氏でいてくれる?」
そう言って、私は付けていたネックレスを竜也に見せる。
その後、竜也は言った。
「もちろんでございま…。いや、もちろんだよ。美紀。大好きだ。」
#冒険
冒険って、何のことを言うんだろう。調べてみると、
「危ないことを押し切って行うこと。成功のおぼつかないことをあえて行うこと。」
とあった。
じゃあ、挑戦することだって、冒険っていうってこと?
進学することも、入学することだって、就職することだって、全部冒険っていうの?
じゃあ、この世界に生まれた時点でもう、冒険してるってことだよね。
そうか。人生って、冒険なんだ。一人ひとりの冒険なんだ。