11/4/2023, 5:42:24 AM
姿見の前に立って自分の姿を見つめてみる。
瞳の奥には自分自身の姿が反射して見える。
鏡にそっと手を触れてみると、微かに温度を感じた気がした。
[鏡の中の自分]
11/1/2023, 9:33:33 AM
それこそが正に、我々の求めていたものだったのだ。皆が幸福の中に死にゆくこの世界こそが我々を救うものなのだ。
[理想郷]
10/29/2023, 12:46:22 PM
この世界は救われた。再び平和が訪れ、もう恐怖に怯える必要などなくなったのだ。人々に笑顔が戻り、二度と闇に呑まれる事は無いのだろう。でも、僕らだけは知っている。この世界は数多の犠牲の上に出来ているのだと。僕はここに、確かに僕らはいたという証を残したい。他の人々が決して知ることのないその存在だけれども、記録だけは残したいのだ。或いは、誰かがここへ辿り着くなんて事もあるのだろうか。いつかこれを知る人がいるならば、その人物が僕らの物語を思い出してくれるのならば、僕らはきっと救われるのだろう。
[もう一つの物語]
10/26/2023, 12:41:19 PM
コンコン、と扉を叩く音が聞こえてきた。日もとっくに沈んだ夜の9時半に、その音は静寂を破るようにこの部屋に響いた。いつもの言葉を投げかけて、いつもの言葉が返ってくる。何気ないやり取りの一瞬一瞬こそが、ひどく大切な気がしてならない。
[愛言葉]
10/24/2023, 11:28:39 AM
ずっとずっと呼んでいた
ただその手を掴んでいたくて
いつの間にか隣が当たり前になっていた
今はそれさえ手放し難い
せめてほんの少しでもいい
どうか離れる事を躊躇ってくれないだろうか
[行かないで]