8/10/2023, 11:33:33 AM
光源からの投身である蜘蛛の子の巣立ちの35分 2cm
8/9/2023, 3:27:09 PM
刑務所のマーボードーフBセット
ごくらく、に春とは地獄へ駆りたてる櫂
8/8/2023, 1:31:44 PM
そんなものは捨ててしまいなさいよと
植え込みは 眸子たちの墓場
8/7/2023, 1:41:22 PM
みずからの腸にからまりのたうって死んでも生きてもかぶとむし
8/6/2023, 9:16:07 PM
青い服を買った。絵の具のチューブからそのまま絞ったような色。それが随分よく似合った。
青でなければ映えない。
インディゴに染めた色は己の肌にちっとも合わない。
このくにで身に纏う〈あお〉は縹色だから、藍のインディゴの馴染まない肌などはまがいものだと思った。
たまらない気持ちで十代を過ごした。このくにの色は私のためにない。私はこんなに、ここにいるのに。
ちかごろ青い服を買った。それが随分よく似合った。夏である。見上げた空が同じ色をしていた。
このくにの干天の色が私によく似合った。
このくにで、私にふさわしい色は私を飾るためにはない。このくにの青は天のためにある。
生命たちの極地で生命から最も遠くの無慈悲を差し出すものの色。
仰いでも仰いでも空がある。まもなく昼を堪えかねようとしている。焼ききれそうな坂道を一心に駆け、見上げて駆け、見据えて駆ける。空がある。
つまりはそれが幸いなのだった。