【君と見た景色】
春には満開の桜の木の下で花見をしたよね
夏には太陽の下、海に山に
バーベキューやキャンプもしたよね
花火を見に行ったこともあったっけ
秋には山が紅葉で赤や黄色に染まって
冬にはそれが雪で白く染まった
自分の世界に閉じこもっていた僕がそれを知れたのは
どれもこれも君が連れ回してくれたおかげ
君と見た景色はどれも
何にも変え難い、僕の大切な思い出
次は、何処へ行こうか
君と何を見ようか
【手を繋いで】
あなたと手を繋いで歩く帰り道
なんでもなかった日々が
いつもの道が特別になった
この先、何度この道を通るのだろう
そして、何度思い出すのだろう
いくつ季節が巡っても
この先もずっと、あなたと共に
【大好き】
ボクは大好きなものが沢山あるんだ
お気に入りのおもちゃ
美味しいご飯
落ち着く寝床
よく行く散歩道
でも、何より大好きなのは
ボクのことを大好きだよって言ってくれる君なんだ
君はたまにボクを怖いところに連れて行くけど
我慢したら頑張ったねって褒めてくれるから
君のこと大好き
これからもずっと一緒にいてね
大好きだよ
【叶わぬ夢】
子供の頃は自由だった
どんな夢を描いても良い
どんな未来を目指しても良い
むしろ、“夢は大きく持ちなさい”とまで言われた
しかし、大きくなればなるほど
あの頃、描いていた夢は叶わぬものとなっていく
“叶わぬ夢ばかり見るな”と
「もっと現実を見ろよ」
と言う大人たちばかりだった
あの頃、憧れたヒーロー・ヒロインたちは
僕らを助けてはくれない
僕らは己の足で立ち上がり
歩いて行かないといけない
夢も幻想も想像するだけなら自由だ
それを形にできる一握りになれなくても
叶わないと諦め捨ててしまった夢の数々を
思い出す時間だけは無くしたくない
【君を探して】
今日も君と遊ぼうといつもの場所に来てみた
そこに君は居なかった
あるのはポツンと置かれて手紙のみ
手紙には“私を探してみて”とだけ
「またいつもの人探しゲームだな」
これは君と遊ぶ時、毎回行うゲームだった
ひとりが手紙とヒントを残し
もうひとりがそれを頼りに相手を探すゲーム
ルールは
・危険なところには行かないこと
・ヒントは分かりやすくすること
・ギブアップはしっかり申告すること
の3つだけ、今のところ僕の全勝だ
今回も大丈夫だろうと思った
でも、今回だけはいつもと違った
広場にも公園にも秘密基地にさえ
君は居なかった
「あいつ、マジでどこに居るんだ」
スマホに送られてきたヒントを読み返す
それでも君は見つからない
空が赤く染まり、太陽の光が地平線から僕らを照らす
もうすぐ日没だ
僕はスマホを取り出し
“ギブアップ”と君に送る
僕の初めての敗北だった