【あの日の温もり】
あの日、初めてキミから近づいて来てくれた
小さくでも確かな重みと温もり
子供ながらにとても嬉しかったことを良く覚えている
出会った頃はどこか不安そうで心配だった
「今日は一緒に寝る!」
なんて駄々を捏ねたこともあったな
布団を引っ張り出してキミのケージの前を陣取って
良く寝たよな
あの時は“その方が早く仲良くなれる”って
本気で思っていたから
あれからお互い歳をとってしまって
キミはあまり動かなくなってしまったけど
今でもこの膝の上はキミの特等席だ
きっとキミは早くいなくなってしまうけど
あの日の温もりもキミがくれた思い出の数々も
ずっと忘れないと誓うから
だから、キミがいなくなるその日まで
一緒に生きて欲しいな
【記録】
そっと握った手から伝わる君の優しい力も
安心して眠るその愛しい寝顔も
君の大切な成長の記録
きっとあの人達も経験して
嬉しい時は一緒に喜んで
頭を悩ませ困らせた時もあっただろう
それでも、ここまで育ててくれた
愛してくれた
君はどんな夢を未来を描くのかな
どんな未来でも君にとって大切なものになります様に
【さぁ冒険だ】
ハンカチ
ティッシュ
お腹が空いた時用のおやつに
水筒をリュックに詰める
本物の冒険家になったつもりで
手には拾ったいい感じの棒を持って
森の入り口に立つ
さぁ、冒険の始まりだ
【一輪の花】
コンクリートの隙間から
精一杯、葉を伸ばして咲いている
一輪の花を見かけた
土に種を落とし
その上をコンクリートで固められ
決して日の入らない環境だっただろうに
芽吹き、根を伸ばし茎を伸ばし
葉を広げ、踏まれても尚、立ち上がり
必死に太陽へと向かっていくその姿
なんて、たくましい花なのだろう
何度倒れてもその度に立ち上がり
夢のため未来のために
己の信じる道を歩み続ける
私もそうありたいものだ
【魔法】
誰しも一度は夢に見た魔法
子供の頃には二次元の世界の中でしか
存在していなかったもの
姿を消したり
水の上に浮いてみたり
昔なら“ありえない”の一言で
済まされていたものが今となっては
その夢を諦めなかった子供だった者達によって
現実のものとなりつつある
クラークの三法則の一つに
“十分に発達した科学技術は
魔法と見分けがつかない”
というものがある
私たちはいつだって科学技術で夢を実現して来た
空を飛びたいと願い、飛行機を発明した
姿を消してみたいと願い、
色彩光学を利用したマントを開発した
アニメで見たキャラたちが使う必殺技を
科学で再現して来た
魔法はいつだって私たちの手の中に