【君と見た虹】
雨上がり、君と一緒に見た虹
君と一緒だったからなのかな?
いつもより世界が輝いて見えたんだ
きっとこれからも虹を見た時に
この時のことを思い出すんだろう
あぁ、どうしよう
今、どうしようもなく
君に会いたくなってしまった
【夜空を駆ける】
“一緒に夜更かししよう”
そんな言葉で始まる一夜の夢のような話
夜空を駆ける、沢山の星の雨
「流星群って言うんだって」
「すごい、きれい…」
「…明日、手術なんでしょ」
「…うん」
「…怖い?」
「…うん」
「そっか…じゃあさ、手術がんばって
今度はこんな小さな窓からじゃなくて
外で目一杯の星空を見ようよ、約束」
「うん、約束」
「ゆびきりしようか」
「うん」
「「ゆびきりげんまん
うそついたらはりせんぼんのます
ゆびきった」」
後日、看護師さんには怒られてしまったけど
約束を果たすために手術をがんばろうと思えた
結局あの夜以来、君には会えていないけど
今年の流星群、君も見ているはずだよね
【あなたは誰】
時々、視線を感じることがあった
でも、視線だけで何も起こらなかった
だから、今日は私から話しかけてみることにした
「ねぇ、誰かいるの?」
だけれど、何も返ってこない
不安に思い、もう一度聞いてみる
すると、ひとりでにペンがノートの上を走る
“僕の名前を呼んで”
「ねぇ、あなたは誰なの?」
“僕は…”
「何してるの?早く帰るよ」
お姉ちゃんが呼びかけて来た、だから
「…ううん、何でもない」
と咄嗟に嘘を吐いた
「今日は誕生日でしょ?早く帰ってケーキ食べよ」
「うん、今行く」
姉妹の後ろ、黒いモヤだけが揺れていた
“ちっ、邪魔が入ったか
もう少しだったんだけどな、次こそは連れて行く”
【輝き】
努力の輝き
才能の輝き
それはそれは眩しいものだ
一つのことを続け、己を磨き続ける
どんなものでもそつなくこなせる
それがただの石ころだろうとガラス片だろうと
磨き続ければ、それは輝かしい宝石と言えるだろう
努力が報われない
何でもそつなくこなせるため
何にも本気になれない
それぞれがそれぞれ違う理由を抱えている
一律に“こうしなさい”とは言えないが
自分だけは自分を否定しないであげて欲しい
どこかで貴方のことを見ていてくれる人が
必ず居るはずだから
【時間よ止まれ】
“大人にならなければ良いのに”
一度は考えたこと
大人なんかにならずにずっと子供のまま
責任からも逃げ続けられれば良い
時間が止まればいい
そうすれば、ずっと楽しいまま
先に進まなくて良いから
だから“時間よ止まれ”
そうしたら、本当に止まったんだ
僕の時間が
成長することなく、ずっと子供のまま
神様からの祝福かな?なんて思った
だから、沢山、子供らしいことをやった
ゲームにかくれんぼ、水切りも
楽しかった、最初の頃は
だんだん、周りが大人に近づいていくにつれて
1人成長できない僕はひとりぼっちになっていった
これは神様からの祝福なんかじゃない
神の悪戯、祝福という名の呪い
時間よ進め、進んでくれ!
もう、時間が止まれば良いなんて言わないから
だから、僕を置いて行かないで
ひとりぼっちにしないで!