【ゆずの香り】
この時期になると思い出す
窓から見える雪景色
湯船にぷかぷかと浮かぶゆず
鼻を近づければふわりと香る
ゆずの香りに
“今年もまた、この時期が来たんだ”と感じる
来年もこの時期が近づく頃
きっと、思い出すだろう
ゆずの香りと共に
【大空】
この大空を
いつか自由に飛びたい、羽ばたいて行きたい
そう思っていた
自由を手に入れるための
未来という名の大空に羽ばたくための
翼は持っていたはずだった
形や色は違えど
みんな等しく
夢を描き、未来へと飛ぶための翼
大きくなるにつれ
それは折られ、直され
平等という名の矯正をされて来た
抱いていた夢は消え
現実を知り
社会という箱庭で
身の程に合った生き方を知っていく
こんなことなら
初めから夢など見なければ良かった
個性などなければ良かった
そうすれば、苦しみや悲しみなど
知らないでいられたのに
今日も未来ある子供達の翼を
折り、直し、矯正していく
“ごめん、ごめんね”と届かぬ声をあげながら
【ベルの音】
ベルの音が聞こえる
ハンドベルの音が
お店に
教会に
家に
街に
夜空に
響く
クリスマスを告げるベルが鳴る
家族と
友達と
恋人と
君と過ごす夜にベルが鳴る
今日という幸せな日を告げる
ベルの音が聞こえる
Merry Christmas✨
【寂しさ】
冬は嫌いだ
冬になると寂しさを感じるから
草木も眠りにつくし
外に出る機会も減るし
年末が近づいてくる
ただ、しんしんと雪が積もる
雪は全てを白く塗り潰してしまう
景色を白銀の世界へと変えてしまう
まるでこの世界から
全ての色を消し去ってしまうかの様に
春も嫌いだ
春になれば仲の良い人たちが
また1人また1人と旅立って行ってしまう
僕だけを取り残して
人が一生の内に出会う確率…10000分の1
およそ0.0004%しかいない
だというのに
僕は前に進むことが出来ずに
ここに留まっている
きっとここより先に行けば
もっと気の合う人に出会えるかもしれない
もっと気にかけてくれる人がいるかもしれない
もしかしたら、運命と呼べる人がいるかもしれない
でも、嫌いな人がいるかもしれない
嫌な思いもいっぱいするかもしれない
そう思ったら、この一歩を踏み出すことが出来ない
1人は嫌だ
1人は寂しいし
どこまでも思考の沼に落ちていってしまうから
誰か、誰でもいいから
僕を、ここから連れ出して
明るい場所に、みんなのいる場所に
連れて行って
そして、この寂しさを幸せで埋めて欲しい
【冬は一緒に】
春も夏も秋も忙しいから
冬くらいは一緒に過ごそう
年末くらいは
家族と
恋人と
君と
過ごそう
雪が降ったら雪遊びをしよう
雪かきに
雪合戦に
かまくらに
雪だるまに
氷のボーリングも楽しそう
多分、大人や受験生、就活生は憂鬱だろうけど
子供にとっては大切な時間だから
君と一緒なら受験も就活も頑張れる
さぁ、今年最後の頑張り時だ
草木が厳しいと冬を乗り越えて花開く様に
どんなに寒い冬でも
きっと春は訪れるから