シン

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12/2/2024, 12:30:00 PM

【光と闇の狭間で】
周りの奴らに俺は特殊だとよく言われる
まぁ、そう言われても仕方ないとは思う

何故なら俺は人間でありながら
魔族に育てられたからだ

基本、人間は人の世界で生まれ、暮らすものだし
魔族は魔界で生まれ、暮らすものだ

でも、俺は違った
俺は人間界と魔界の境界線となる場所に
見える様に捨てられていたらしい

といっても、俺自身物心ついた時には
今の生活だったから覚えていないんだが

親代わりの魔族も何度か、人間界に
俺を返そうとしたらしいが
返そうとする度に泣き出してしまい
どうしても、離れ難かったらしい

そして、今日、初めて人間界に行った
人間界は魔界ほどではないが発展していた
これが本来居るべき世界なのだろうと思った

町でふと耳にした
「また魔族が出たらしい」
「本当?早く退治して欲しいわ
 そうでもないと怖くて出ることもできないもの」
まるで魔族が“悪い存在”かの様に話す
その人達に怒りが湧いた

魔界に帰った後、泣いてる魔族に会った
話を聞くに恋人が人間に憧れて
人間界に指輪を買いに行ったきり
帰って来ないらしい

俺は人間界で聞いたことを思い出した
きっと、あの人間達が言っていた
魔族がそうなのだろう

本当に魔族だけが悪いのだろうか
事情も知らず、魔族だからと退治しようとする
人間も悪いのではないだろうか

俺は人間だ
でも、魔族と暮らしている
魔族の優しさも残酷さも知っている
人間の仲間意識も理解しているつもりだ

だからこそ俺は人間と魔族
光と闇の狭間で揺れてる

俺はどうしたらいいのだろうか

12/1/2024, 11:09:07 AM

【距離】
君との距離を縮めるには
どうしたらいいのかな?

“大丈夫だよ、怖くないよ”
なんて言っても
君は唸り声をあげる

まるで“信用できない、来るな!”
なんて言われているみたいだ

まぁ、そうだよね
自分のテリトリーに
いきなり知らない奴が来たら
警戒もするよね

ただ、仲良くしたいだけなんだけどな…

明日からでも時間を作って
通いつめてみようかな?

そうしたら、この場所に良く来るけど
怖いことも痛いこともしてこない奴って
信用してもらえるかな?

うん、そうしよう
そうと決まったら
明日はチュールでも持ってこようかな?
時間をかけて少しずつでも
あの子と仲良くなれたら良いな

11/30/2024, 10:52:30 AM

【泣かないで】
ねぇ、どうしたの?
なにか辛いことがあった?
どうしようもないことがあった?

“大丈夫だよ”なんて、何も知らない
僕には言えないけれど

それでも、君の力になりたい
だからこそ、君のことを知りたいんだ

何も出来ないかもしれない
ただ、そばに居ることしか
出来ないかもしれないけれど
こんな僕でも君の力になれるなら
どんなことでもしたいんだ

ねぇ、どうしたら君は笑ってくれるかな?
そうだ!僕のお気に入りのおもちゃ
貸してあげるね
だからいつもみたいに笑ってよ

僕、君の笑っているところが大好きなんだ
だから、僕は君の笑ってくれるならなんでもするよ

ねぇ、泣かないで、いつもみたいに笑ってよ
君が笑顔になれるまでずっとそばに居るよ

いつも、“待て”されてるから
僕、待つのは得意だよ
だから、またいつか笑ってね

11/29/2024, 12:12:40 PM

【冬のはじまり】
最近、すっかり寒くなった様に思う
毎年毎年、寒暖差が激しくなって来ていると思う

最近、車や道端の草に霜が降りるようになって来た

毎朝、車に付いた霜を除く作業を行う

大変だけど、これを行わないと
車を走らせられないから大事な作業だ

この作業を行っている時
最近、肌寒いなと感じる様になった時
ふと吐く息が白くなっていた時
冬のはじまりを感じる

子供の頃は
雪が降ることも
降りた霜を踏んで歩くことも
楽しみだったのに

雪が降ることも
霜が降り、白くなることも
面倒くさいと嫌だと感じる様になってしまった
きっと、大人になってしまったのだろう

あぁ、これから
きっと、冬になることが
だんだん億劫になっていくのだろう

あぁ、これ以上大人になりたくなぁ
早く春になれば良いのになぁ

11/28/2024, 10:39:14 AM

【終わらせないで】
好きなゲームがあった
たまにやるくらいだったけど
それでも好きだった

好きな食事処があった
店主が温かくて
ご飯も美味しくて
本当に居心地の良い場所だった

風邪の噂で聞いた
“あのゲーム、サービス終了するらしい”
“あの店、閉店するんだって”

あぁ、また一つまた一つと好きだったものが
この世界から消えていく

本当の気持ちを言っていいなら
“終わらせないで欲しかった”
“まだ消えないで欲しかった”
“私を置いていかないで欲しかった”

そんなこと
私が思っても
言っても
きっと誰にも届かない

今日も、声をあげる
届かないかもしれないけれど
それでも、声をあげる
この声が届くと信じて

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