こんな夢を見た。
水の中を、ゆっくり沈んでいく。
少しずつ、少しずつ、光が遠くなっていく。
抗うことなく、ただ、流れに身を任せて、水底に沈んでーーー
ハッと目を開けると目の前には雲一つない空。
太陽が優しく光を注いでいる。
周りを見ると草原に横たわっていた。
心地いい風が吹く。
ゆっくり立ち上がる。
周りは何もない。ただ草原だけ。
おもむろに、風が吹いている方向に歩き出す。
風とそれに吹かれる草の音だけが響く。
しばらく歩いたら、目の前に誰かが立っていた。
ただ、じっと立っている。
誰だろう?そう思い、足を速める。
しばらく走った。途端、止まる。
頭が真っ白になった。信じられなかった。
気づけば、涙が流れていた。
目の前にいたのは、もう、会えないはずの友人だった。
あの時と変わらない笑顔でそこに、いた。
『会いたかったよ!』
そう叫びたかったのに、声が出なかった。
それどころか、さっきまで動いていた体も固まってしまった。
パニックになっていると、友人の口がゆっくり動くーーーそこで目が覚めた。
夢であったことに絶望して、うなだれる。
友人が何を言おうとしていたのか、それもわからないままだ。
「タイムマシーンがあったらどこに行きたい?」
以前、友人から尋ねられた。
あの時は、すぐには答えられずウンウン唸るだけだった。
・・・今なら、すぐに言える。
君がいたあの時に戻りたい。
笑って、泣いて、喧嘩して、思い出を分かち合っていたあの日々に戻りたい。
君がいない今は色褪せて、乾燥して、淋しくて、辛い。
楽しかったことが君がいないだけでつまらない。
どこに向かえばいいのか、なんのために歩くのかさえわからなくなった。
戻りたい。君がいたあの日に。あの日々に。
君はきっと、自分の分までと言うかもしれない。
でも、今は、まだ、歩けそうにない。
会いたい。会いたいよ。
タイムマシーンよ。どうか連れてって。
自分の片割れのような存在だった大切な、大切だった、たった一人の親友のところへ。