この世界にはゾンビが蔓延っている
元々は感染症だったのに突然変異をして
みんなゾンビになっていった
私たちが小さい時に突然変異したらしいから
詳しいことは分からない
だけど
友達がゾンビになってハンターに駆除されていくのを
部屋の中から見ていた
辛かったし悲しかった
兄はハンターになった
かっこよかった
昔から私を守ってくれたから
だからあんな姿見たくなかった
歳が離れていて仕事も忙しくて中々会えなかったけど
私は兄が好きで尊敬していた
だから私もハンターになった
いつ死ぬか分からないけれど
人間として死ぬその時まで焔を燃やしていたい
そう思った
「行ってきます、お兄ちゃん」
『行ってらっしゃい、気をつけろよ』
そんな声が聞こえた気がした
恋の方程式
よく聞く言葉ですよね
授業なんかじゃ取り扱わないし
取り扱ったとてわかるものじゃないし
わかっても特に何かある訳じゃないし
片思いしてる時、あれだけ知りたいと思っていたのに
いざ分かりかけてみると知りたくないと思ってしまう
人間は恋愛脳なもので
ささいな出来事でさえ
何かと恋だ愛だと騒ぎ、茶化す
自分だけ知れるとかなら
知っていてもいいかもしれないが
他人も知れるのなら永久に解は出なくていいと思う
そんな人生において
高校生においての最大の問い
文系の方が有利なのかもしれない
誰もいないはずだった教室
お昼ご飯を食べようと空き教室に来たら君がいた
真っ黒で直毛な髪に長い足、綺麗な横顔
羽でも生えてるんじゃないかと思った
「やば、めっちゃイケメンじゃん」
『ありがと、ってか誰?』
やや低い声もまた魅力的だった
「俺A組の成瀬」
『お前同じクラスなん?知らなかったわ』
同じクラス?こんな奴いたら女子たち見逃さなくね?
『まぁいつも寝てるししゃーないか』
いつも寝ているやつは橘しかいない
だけどあいつはいつも前髪で顔を隠しているはずだ
「お前橘?」
『おん、成瀬飯食おうぜ』
「おう」
橘と話したことなかったけど案外良い奴かもしれない
この考えが全くの見当違いだったことに気がつくのは
また別の話
学校の作文などで一度は聞いたことがあるお題
この歳になっても未だに最適解を見つけられずにいる
鼻炎が酷いからティッシュがいいのではないか
と思った時もある
目が悪いから人間離れした視力がいいのではないか
と思った時もある
なんでも出来る友達を連れていくという手もある
とも思った
何が正解とかがないから
このお題は重宝されているのだろう
いつか友達にも聞いてみたい
体育のあとの教室
ボディシートの匂い
桃とかシトラスとかが混ざって絶妙に臭い
でも密かに香るムスクの匂い
それだけは嗅ぎ分けることができる
気持ち悪い?
僕もそう思う
でもムスクの香り好きなんだ
落ち着く匂いがする
誰の匂いかは分からないけど
次の授業は...古典か
あまり得意じゃないんだよなぁ
みんな寝るし...
チャイムと共に号令がかかる
20分後
ほとんどの人が寝ている
こんなに寝ていて大丈夫なのかと思う
無論隣の席の人も寝ている
窓が空いているから秋らしい冷たい風が吹いてきた
この前までめちゃくちゃ暑かったくせに
もう鳥肌がたつくらい寒い
冷たい風と共にムスクの香りがした
ムスクの香りあんただったのか
男が好きな匂いは共通なのだろうか
隣の席の男からムスクの香りがした
『女子だったら良かったのに...』
「ここテストに出るからな〜」
先生の大きい声で授業中だったのを思い出した