天体観測をしようと言って
夜、人気のない山の方へ向かった
山に近づくにつれて
闇に浮き出た星が増えていく
駐車場に車を停めて
そこから夜空を眺めた
綺麗な星空だった
月は見当たらなかった
今日僕は彼女に告白しようと思っている
「好きです、付き合ってください」
『ごめんなさい...私付き合ってる人いるんだ』
あっけなく振られてしまった
薄々振られるのではないかと思ってはいたから
残念なことに心の準備はできていた
「そっか...」
そう言って僕たちは帰路についた
闇と同化したと言っても信じられるくらい静かだった
家に帰ったらベランダから月が見えた
ゆらゆらと形を留めていない月を見て
「月が綺麗だな」なんてぼやいた
AM4:00
静かな朝だった
いつもより早く目が覚めてしまった
昨夜は台風が来ていて
家を壊そうとするかのような風の音はもうやんでいた
外に出てみると
少ししめった地面
昨日の台風を記録するかのような雨の匂い
そこら中に散乱した葉
世界が終わりを告げるとしたら
最後に見る景色はこんな感じなんだろうな
と思う景色だった
決して荒れていて酷いという訳では無い
ただ人気を感じない
非日常的さを醸し出している街が
ずっと向こうまで続いていた
暗い部屋でひとりきり
何もすることなくただ呼吸を繰り返している
幸せを直に感じることは出来ないけれど
何もしない時間が1番好きだ
友達のことも勉強のことも何もかも忘れられる
そんな時間が過ごせるうちはまだ頑張れると思う
あ、そろそろ太陽が登りそうだ
紺色の空が段々と
水を溶かしたかのように薄くなっていく
うっすらと光が見えてくる
寝ないのは体に悪いとはわかっているけど
どうしても寝れない時は
ずっと起きててこの瞬間のために生きている
また今日もJK頑張ろうって思うために
周りに合わせて、気を使って、でも辛さは隠して...
自分を欺くために今日も心を削る
「そんな辛いなら離れればいいじゃん」
とか言う人いるけど
すぐに離れられる関係じゃないから
こんなに悩むんだよ
女子の友情がもろいのは本当だから
時効がいつか来てしまうかもしれない
ストレスで耐えられなくなるかもしれない
でも、どんなに嫌だと思っても
その人の良い1面を見てしまうから
やっぱり離れられない
帳消しになってしまうわけではないけれど
やっぱり好きだなって思うから
今日も私は友達と過ごします
フィルターがかかっています
あなたのと私ので2枚分
君の顔もっと近くで見たいけど
メガネ外したら見えないんだよなぁ
でも君はメガネを外さないで欲しい
メガネを外した君は私だけ知っていたい
とか思いつつ
授業中に寝ている真面目そうな見た目の君に
どうやって話しかけようか考えている
友達以上の関係になりたいのに
友達ですらないかもしれない
友達のラインが分かりません
君にとって私はなんなのでしょう
聞けたら楽だろうけどそうもいかない
はぁ...
5時間目の言語文化は
鉛筆が走る音と
私のため息と
君の寝息が
教室中に響いていた
私あなたが好きなんです
友達としても恋愛的にも好きですよ
そんなふうに見れない?
まあそうですよね
私の独占欲がいつの間にか恋に発展してたって感じですからね
そんな私でもいいなら付き合ってください
まずはありがとう?
振られる時のテンプレですね
やっぱり振られますよね
今まで親友としてやってきたのに急にこんなことされて...ほぼ裏切り行為ですよね
ここから先は言わせて欲しい?
逆転劇来ましたか?
嬉しいですけどびっくりです
うわ...あなた私よりも恥ずかしいセリフペラペラと話すじゃないですか
もちろんOKしますけど...
そういうところ好きですよ