天体観測をしようと言って
夜、人気のない山の方へ向かった
山に近づくにつれて
闇に浮き出た星が増えていく
駐車場に車を停めて
そこから夜空を眺めた
綺麗な星空だった
月は見当たらなかった
今日僕は彼女に告白しようと思っている
「好きです、付き合ってください」
『ごめんなさい...私付き合ってる人いるんだ』
あっけなく振られてしまった
薄々振られるのではないかと思ってはいたから
残念なことに心の準備はできていた
「そっか...」
そう言って僕たちは帰路についた
闇と同化したと言っても信じられるくらい静かだった
家に帰ったらベランダから月が見えた
ゆらゆらと形を留めていない月を見て
「月が綺麗だな」なんてぼやいた
9/15/2025, 12:35:01 AM