「あなたのためだから」
「あなたを思ってこんなことを言ってるの」
「あなたの事を応援しているから...」
なんて綺麗事ばかり言われて
大人を信じれなくなった
これが優しさなら
親切心なら
全てを否定された私は
とんでもない悪なんだろうな
朝ごはんの後に
床の上でブランケットをかけながら
窓の外を眺める
マンションのベランダの枠に切り取られた青空は
とても綺麗で
自分の身体が腐敗しているような感覚に陥った
あの綺麗な青空が見える方向へ
私は進んで行きたいと思った
僕ら4人にはそれぞれ
春 夏 秋 冬の文字が入っていた
でもある時みんなバラバラになってしまった
頭が良く進学校に通う春
夢を叶えるために別の県に行く夏
運動が得意で推薦で入学した秋
そして家の近くの高校に行く僕
もう話すことは無いのだろうと思っていた
高校を卒業するにあたって
一人暮らしをしないといけないから
荷物をまとめて大学の近くに借りたアパートに
住むことになった
あれから数年がたち僕は立派な社会人になった
久々に実家に帰るかと思い立ち
新幹線に飛び乗った
家に着くと2人分多い靴があった
「おひさ」
「元気してた?」
春と秋は元気そうだった
『夏もいればなぁ』
ふとこぼれた独り言を聞いた2人は
「「あいつならもう少しで来るぞ」」とハモった
ガチャ
「みんな揃ってんじゃん」
と丁度良く夏が来た
「「『おかえり、夏』」」
私は数学ができない
だからこの前のテストは散々だった
だから誰かに教えてもらおうと思ってたけど
まさか君が教えてくれるとは...
君は数学はもちろんほかの教科も高得点だから
他の教科も教えてもらいたいなーなんて
君が来る前に開けた炭酸は
君と2人きりの勉強会に集中するあまり
砂糖がたくさん入っただけの飲み物になっていた
「次のテストはいい点取れそう!!」
『別に取れなくたっていいんだよ?』
「え?」
あと5分で推しのライブが始まる
心臓がバクバクしている
オンライン上の推しだけれども
大好きだから
ずっと応援しているよ
まだ心の熱は冷めきらない