春が来て
あなたに恋焦がれて
大好きだけど拗らせて
結局伝えられないままだった
私が志願先変更しなければ同じ高校だったのに
文化祭が1日だけ被ってなかったから
あなたに会いに行ったよ
諦めたつもりだったけど
やっぱりまだあなたが好きです
未練タラタラでもヘタレでも少しバカでも
そんな私を好きになってほしい
でも会う機会があまりないから
どうしたものかと考える
私の横を吹き抜けてった風は夏の匂いがした
放課後の教室
西日が入ってきてストーリーに載せたくなるような
エモい景色がひろがっている
窓の枠に体重をかけてぼんやりと教室を見渡す
数時間前には活気があったこの場所も
この時間は私しか居ない
夕日が差し込む放課後の空気を1人で味わう
後ろから風が入ってきて
若干黄色がかった元は純白であっただろうカーテンが
私を優しく包み込んだ
来週はいよいよバレンタインだから
あの人にどうしてもお菓子を渡したい
まだまだ先のことなのにドキドキしている
教室のドアを開けた瞬間みんなの目がこちらを向いた
嫌な予感がした
あの人を見たらふいと違う所を見た
何があったのか分からなくて固まっていたら
『あんた、好きバレしたんだよ』
と友達が教えてくれた
すきばれ?スキバレ?...あぁ好きバレか...
えっ?嘘でしょ?来週バレンタインなのに?
頑張って準備してきたのに?
その日はぼんやりしながら家に帰った
信じられなかった
まだフラれた訳じゃないのに涙が溢れた
心にはショックという鋭利な刃物が刺さっていて
春の終わりを仄かに告げていた
私は読書が好きだ
特にファンタジーやミステリーが好きだ
本を開けば現実とは違う未知の世界が待っている
ゆっくり足の先からお湯に浸かっていくように
周りの音が何も聞こえない環境に
ズブズブとハマっていく
本の内容もそうだがこの感覚もとても好きだ
ひとつ懸念すべき点としては
周りの音が聞こえなくなるため
本を読み終わった時には高確率で
目の前に怒っている人間がいることだ
性格診断を授業でやった
みんなで一斉にマークシートで記入する
タイプのやつをやった
それがこの前帰ってきた
協調性の欄があって最高評価だった
この私が...?
と思ったが何度みても評価の欄は変化しない
友人によると私はあまり意識していなかったが
周りの顔を伺って過ごしていることが多いらしい
自分の心の声を聴いていなかったのだ
最後に聞いたのいつなんだろうな