学校には友達もいるし
いつも一緒にいるような人だっているのに
ふと1人ぼっちなんじゃないかって思っちゃって
視界がモノクロになっていくような気がする
友達の反応が冷たい
返事がもらえない
そんな些細なこともめちゃくちゃ気にしてしまう
多分コミュ障の類いなんだろうと思うけど
やっぱりなれない
そんな私にとってくらい闇の中で輝くために
今日も笑顔で明るく友達の元に行く
酸素ってみんなから求められてて
ないと誰1人として生きれなくて
なくなったり存在が薄くなると苦しくなって
うらやましいなぁ
私は友達も好きな人も家族もいるのに
ここにいない感じがして
求められていない感じがして
酸素にすら嫉妬をしてしまう
ヒラヒラと酸素を避けるように舞い落ちた
羽毛布団から出てきた羽を見て
私は深い息を吸ってため息を吐いた
明日はテストだから
参考書を開いて信号が青になるのを待っていた
塾の帰りだから空は少し暗くなっていた
少し離れたところから
「危ない!!」
と声が聞こえた気がした
その瞬間眩しい光とたっていられないような衝撃が
私を襲っていた
誰かが叫んでるような気がする
カメラの音が聞こえる気がする
電話で話している声が聞こえる気がする
消えかかった意識の中で様々な音が聞こえていた
数時間前までは
明日も学校があって
塾があって
苦手な教科のテストがあって
いつもと変わらない日常を過ごすと思っていた
聴覚が仕事を辞め始めた頃
私は静かに記憶の中に沈んでいった
小さい頃の話だから
本当に起こった出来事なのかも分からない
だけど僕は
静かな森で綺麗な綺麗な人を見たんだ
少し前のことだ
我が人間が通るあたりまで降りていったら
とても純粋で綺麗な目をした男子を見た
もし本当の出来事だったらあの人に
まだ純粋で綺麗な瞳を持っていたらあの男子に
「「もう一度会いたい」」
私の好きな人は画家だった
近所に住んでいた少し歳の離れた憧れの人
天才は短命だという決まりがあるのかのように
君は若いうちにいなくなってしまった
君が好きで君に憧れていたから
私も絵を描く仕事につきたいと思っていた
明日私は美大に行くためにこの地を離れる
最後に君のアトリエに訪れた
君が生きていた形跡はそのままだった
幼い頃に君にもらったスケッチブック
何年も使っていたからボロボロになってしまった
最後の1ページに
この場所にいる最後の日に
私は夢を描く