9/11/2023, 3:16:28 AM
好きであればあるほど、それを失った時の喪失感は計り知れない。
嫌で離れた筈なのに、いざ居なくなってしまうと胸が張り裂けそうな気持ちになる。
もう忘れたいのに。
9/10/2023, 2:44:52 AM
明るい色の布地に、当時の流行りのアニメキャラのアップリケ。
少し不恰好なシルエットのそれを、いまだに私は捨てられない。
大人になったから着けるのが少し恥ずかしいけど、母が大切に家のミシンで縫っていたのを知ってる。
世界に一つだけの、大切な帽子なんだ。
9/8/2023, 3:27:14 AM
踊るようなもの、というとお好み焼きの上の鰹節が連想される。
熱々の鉄板の上で焼かれたふわふわのお好み焼きにソースとマヨネーズを塗りたくり、〆に青海苔と鰹節をふりかけるとその上で踊るように揺れるのだ。
焼き上がってそれを切ると、ザクっとしたキャベツの食感と柔らかに包み込む生地とが油でツヤツヤと光って非常に食欲を唆られる。
よし、君たちもお好み焼きが食べたくなってきただろう。私もビールで一杯いきたくなったな。
9/7/2023, 3:25:56 AM
12時を告げる時計の音が鳴り響く。
蜜月の時はもう終わりだ。名残惜しそうに彼は私から腕を離れる。
「じゃあ、また明日ね」
彼はそう言ってタクシーで帰っていった。
行ってほしくなかったけど、物分かりが良いことだけが取り柄の私は素直にその言葉を飲み込んだ。
いいんだ。明日も会えるから。
……だけど。
私は慣れないロングスカートの裾を摘み、ヒールの覚束ない足取りで翻って帰路に着く。
途中でガラスのショーケースに映る自分の顔を見る。
……このままでいいんだろうか?
9/6/2023, 3:20:54 AM
子供の頃、海に連れてってもらった。
その時に集めてた貝殻は、いまだに実家の押し入れに眠っている、かな?流石にもう捨てられてるかな。
もしあったとしたら。何の回なのかもよくわからないその貝は、化石のように家のどこかを漂っているのだろうか。
堆積する、海のかけら。