手を取り合って、生きて行こう。
たまには諍いもあったりするけど、明日にはまた手を取れるように。
優越感と劣等感は、紙一重だ。
結局は他人と比べて己が優秀かどうかの感情を孕み、時には己の自意識を蝕んで、喰らい尽くしてしまう。
しかしヒトという人種は社会性とともに生きており、生きている限り他のヒトと干渉して生きて行かねば生きていけない。
不器用で、不完全な存在だ。
だからこそきちんと自意識と向き合って、優越感に溺れず、劣等感に苛まれず、バランスをとって生きていくのだ。
---自分が自分で、あるために。
継続は力なり、というけども。
これまでずっと続けてきたものって無い気がする。
私が飽きっぽいってのもそうかもしれないけど、
周囲を取り巻く環境が変わったり、自分の考えが甘かったりして、止むを得ずやめてしまったものもある。
だけど、そんな自分を否定はしたくない。
飽きっぽいってのは、いろんなアンテナに目を張ってるって側面もあるし、実際それで幅広い知識を得てる事実もある。
だから、私はこれでいいのかもしれない。
もちろん、この書く習慣も続けてるし続けることに意味がある場合もあるけどね。
「突然だけど、今日会えない?」
平穏な日常に突然送られてきた一件のLINE。
その宛先は---元恋人からだった。
「はあ……」
マリアナ海溝よりも深い深いため息をついて、その文面を見る。
これが私の友達とかだったら胸を弾ませながら会いに行ったはずなのだが、思い出したくもない名前だったので、胸がひどく重い。
概ね別れて寂しいとか、やりなそうだのそんなノリなんだろう。
人の気も知ったこっちゃない。
お前のそういうところが嫌いなんだよ---と指先に力を込めながら、LINEのブロックボタンを押した。
目を覚ます。
酔狂な微睡の中から、現実へと引き戻される。
その時、私は初めてあの出来事が夢だということに気がつくのだ。
不思議なものだ。よくよく考えてみるとあり得ない事実ばかりなのに、あの時の私はそれら全てを事実だと認識していたのだ。
家族も妻も、此処には居ないのに。