月夜に笑う君が嫌いだった。
静かな月光に照らされ、
怪しいくらいに美しく笑う君が。
君が月に連れ去られてしまいそうな
なぜか、そんな気がするのだ。
母も、兄も、姉も、父もそうだった。
月夜に笑い、消えていく。
ねぇ、君はここにいてくれるかな。
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「月夜」2023. 3. 7
仲間との絆が深まるたび
どうしようもない恐怖感
そして罪悪感に襲われる。
どうしようもないくらいに
楽しいからだろうか?
愛おしいからだろうか?
原因を考えたって
それはどうしようもないことばかり。
絆というものは時に固く、時に脆い。
生きているから、不確かなもの。
それでも信じたくなるのだ。
何度壊そうと、何度途切れようと、
また絆という糸を結びたくなるのだ。
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「絆」2023. 3. 6
大好きで大好きで大好きで大好きな君に
最高で最悪のプレゼントを贈ろうか。
「もう君に用はないから、じゃあね」
どうか、私のことを憎んでおくれ。
いつか、私のことを忘れておくれ。
さよなら、愛しているとは言えないよ。
君の近くによくいた青年。
どうかあの子を見守ってやってくれ。
どうかあの子の手を引いてやってくれ。
優しい子なんだよ、どうしようもなく。
全てを平等に愛してしまう子だから
痛みすらも、独りで抱きしめてしまう。
独りで抱えて、独りで歩こうとする。
どうかこの先あの子の抱えるものが
愛でいっぱいでありますように。
そこに、私からの愛はいらない。
大好きな君に、鍵を託そう。
鳥かごは開いた。さぁ羽ばたきなさい。
どうか君が、青空を飛べますように。
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「大好きな君に」2023. 3. 4
私にとってそれは
つよくまばゆくはないけれど
ちいさくやさしい私の光
私にとってそれは
たった1つの希望であり
たった1つの暗がりである
私にそれがあるから
私は私を愛すことができる
私にそれがあるから
こんな世界でも息をしている
私にそれがあるから
私は私だと笑っていられる
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「たった1つの希望」2023. 3. 2
私は欲望に溺れたくはない。
けれども欲望が無くてはつまらない。
まぁ、欲望に限った話ではないが。
ふふ、難しいものだね…
ああ、もっと多くの知識が欲しい。
彼はそう呟きながら
窓の外を眺めて笑みを浮かべている。
これは…上手くいってないんだな。
よし、紅茶を淹れよう。休憩も必要だ。
知識が欲しい、か。
うーん、僕も知識が欲しいな。
あなたの役に立てるように。
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「欲望」2023. 3. 1