永遠かと思われた太陽の暑さが遠ざかり、
昼間でも涼しさを感じるここ最近
窓を開けるとどこかから漂ってくる甘い香り

香りの元を探すため、気まぐれに散歩に出てみれば、
主張の強さとは裏腹にオレンジ色の小ぶりな花びら

甘く、どこか懐かしさのある香りに
秋がもう傍にいることを思い出す

『秋の訪れ』

時間を忘れてページをめくった物語
夢中になって、主人公と共に冒険をした
出会いに歓喜し、別れに涙し、苦難に耐え、そして辿り着いた、
その最後の一文

『旅は続く』

めくるページがなくなっても、これ以上物語が綴られなくても、
旅はどこまでも続く
私を動かした物語は、私の中で旅を続ける

ただの紙にインクが滲んでいる

文字に起こせばただそれだけ
けれど
想像力を働かせれば
ただの白黒の文字の束が
溢れんばかりの色を解き放つ

『モノクロ』

この一瞬を切り取って永遠に残しておきたいと願いながら切るシャッター
永遠であれとボタンを押させるその気持ちは本物

『永遠なんて、ないけれど』

嬉しい　悲しい　悔しい　痛い　他にもいろいろ

涙の理由はたくさんあるけれど、
言葉だけでは託せない想いを吐き出すために存在している

『涙の理由』