読みかけの本を持って、ベッドに潜り込む
昼間の喧騒から遠い場所へ小旅行
表紙を開けば、そこはもう別世界
今は、そんなささやかな楽しみのための準備中
お気に入りのマグカップにじっくりとコーヒーを淹れながら、
素敵な週末の夜を迎えるのだ
『コーヒーが冷めないうちに』
あなたがいない夢を見た
正確に言えば、あなたは確かに存在しているけれど、私と出会わなかった世界の夢
私はあなたとの出会いを覚えているのに、あなたは私のことを知らない
その世界でもあなたは人気者で、多くの人の中心にいた
だから、必死になって呼びかけた
「ここにいるよ、お願い気付いて」って、あなたの名前を何度も呼んだ
でもあなたは私を知らないから、その他大勢を見つめる瞳で私を見る
興味も関心もない、背景を眺めるような無感情な瞳で
……愛する人と心通じるけど離別してしまう世界と、愛する人は死なないけれど絶対に出会えない世界
あなたはどっちのほうがいい?
『パラレルワールド』
今なにしてるのかなって、考える時間が増えた
メッセージ送ってもいいかなって、悩む時間が増えた
声を聴きたいなって、思う時間が増えた
もう少しだけ一緒にいたいなって、望む時間が増えた
あなたも私と同じこと思ってくれたから、
こうして同じ時間を過ごせるの
『時計の針が重なって』
「君に酷いことしてきた連中を片っ端からぶん殴ろう!
大丈夫、君にはその権利がある!
君は望まれて生まれてきたんだ、愛されて生まれてきたんだ!
そんな君を傷つけた連中なんか殴られて当然さ!
さ、なにも心配いらないよ!
拳が痛くなるのが嫌だって言うなら、僕が代わりに殴ってやるとも!
だから僕と一緒に行こう!」
そう笑顔で語り私の腕を力強く引くこの人を、私は知らない
『僕と一緒に』
晴れた日の散歩のほうが気持ちがいいと見せかけて
曇りのほうが涼しくて歩きやすいから総合的に気持ちいい
そんな持論を掲げる君と並んで散歩するのは楽しい
しかし、曇りの日は君の調子が良くなるせいか
歩くペースがとても速くて着いていくのも一苦労
『cloudy』