私とあなたは似ていると思った。
でもそれは似ているんじゃなくて、私があなたを見て育ったから、無意識に私があなたを真似していたんだと思う。
似ている感情をあなたと共有したかった。ずっとおんなじ世界で生きることを夢見てた。
自分の生きている場所から逃げられる、すべて我慢できる。そのために。そうやって生きてきて、だんだん現実が見えてきて、あなたが私の作った幻だって気づいた。
気づいたらボロボロボロボロ崩れちゃって、あなたは共有なんて望んでいないんだってわかった。
ずっと夢見てた。理想のまんま生き続けられたらよかった。苦しみは全部あなたとの幸せのためにあると思っていた。
ピエロ
小さい頃は、ブランコ乗りだった。頭にはいつもサーカスの音楽が聞こえていた。
太陽の声も、嵐の声も聞こえていたし、雨の歌も聞こえた。ピエロはいつまでも私たちを笑わせてくれた。
私たちは口ずさみながら、息ぴったりでブランコに乗っていた。軽やかに跳びはね、雲も、星も、月も手につかむことができた。
今じゃあ枯葉の擦れる音ばかりで、君との息も合わなくなった。ピエロはおとなになれないだけの大人だったと知った。
だけど、あの頃眠っていなくちゃいけなかった時間にたくさんの飴を飲み込めば、私はまたサーカスでブランコ乗りになれる。にぎやかな音楽も、あの頃よりも優雅に。
そして私はピエロになる。
春
その無意味な、いつかがやってくるのを待ってた。
河には飛び込んでみたし、金魚鉢には頭を突っ込んだ。
親友には死ねばいいと言った。4歳の頃の自分の写真は破いた。食べ物は飲み込まずに吐き出した。
早く咲いた桜を恨んだ。
時間だけがどんどん通り過ぎている。
また始めればいい、また始めればいいという裏側に、うっすらと恐怖が眠っているのが見える。
だんだんなんにも感じなくなる。
トリガーとなる歌を大声で歌い、ギターを弾く。
もう泣いたってなんにもない。悲しいもない。
あなたにできることは無い。あなたができたことはあった。あった。それはもうここにはない。今はできない。
私にできたことはない。その時私にできることは1つもない。私がこれからできることはある。ただそれしかない。私がこれからできることしか、今ここにはない。
私は知っていた。
私は、あのさみしくつらい背中をみて育った。
そしてそれを恐れ、見て見ぬふりをした共犯者だった。そして同様に被害者であった。彼女もまた、被害者だった。それから加害者になった。
私は、あのひどく玄関からリビングまでの廊下が狭く、壁は薄く、ヤニの染みついた壁に閉じ込められ、首を絞めあってきた。
いつか、わかって欲しかった。だけど彼女の傷がそうさせないなら、もうずっとさようならのままでいい。
ごめんなさい。それと、くれた幸せにありがとうだけ。
私はわからなかった。
愛と苦しさが。本当か嘘か。
本当に私が大切だったの?それともそんな感情は微塵も無かったのか。