あかいろ

Open App

ピエロ

小さい頃は、ブランコ乗りだった。頭にはいつもサーカスの音楽が聞こえていた。
太陽の声も、嵐の声も聞こえていたし、雨の歌も聞こえた。ピエロはいつまでも私たちを笑わせてくれた。
私たちは口ずさみながら、息ぴったりでブランコに乗っていた。軽やかに跳びはね、雲も、星も、月も手につかむことができたんだ。
今じゃあ枯葉の擦れる音ばかりで、君との息も合わなくなった。ピエロはおとなになれないだけ大人だったと知った。
だけど、あの頃眠っていなくちゃいけなかった時間にたくさんの飴を飲み込めば、私はまたサーカスでブランコ乗りになれる。にぎやかな音楽も、あの頃よりも優雅に。
そして私はピエロになる。

3/19/2026, 11:22:59 AM